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今週の一本

●大手水産各社の前3月期決算  井出 万寿男 (週刊水産タイムス:08/05/19号)

売上げ・利益伸び悩み

 大手水産各社の前3月期決算が出揃った。水産商事は上期のエビ暴落、加工食品は中国・天洋食品の冷凍ギョーザ事件がマイナス要因。しかしニチレイは低温物流事業、極洋は鰹・鮪事業と、好調で強みを持つセグメントがカバーした。初年度の決算となったマルハニチロホールディングスは売上高のベース目標を新年度の9300億円に設定し、今後の拡大を図る。

今期が正念場
マルハニチロ
 マルハニチロホールディングスは売上高が8447億円で前年同期比14.5%増、営業利益は130億円で同7.1%増となったが、これは昨年10月1日に経営統合したニチロの下期分が加わっているためで、前年のマルハグループ本社との単純比較は難しくなっている。
 昨年度のニチロの通期分を加味して算出すると、8447億円に旧ニチロの上期分1100億円を加えた9547億円というのがマルハニチロホールディングスの実態に近いものになる。
 前3月期のマルハG本社の売上高が7375億円、ニチロが2517億円であったから、これを単純に合計すると9992億円となり、これと比較すると前3月期は4.5%の減少ということになる。
 ただ、同社では「経営統合に伴って相殺している部分もあり、前年度との単純比較が難しい。来年度以降はすっきりした形で比較できる」(河添誠吾常務)としている。
 今期掲げた売上高の計画は9300億円。近く公表予定の新中期経営計画は、この数字がベースになる。

水産事業が不振
日本水産
 日本水産は(1)燃料、主副原料、資機材等の価格が高騰(2)コスト高を販売価格へ転嫁するのが困難だった(3)北米の業務用水産調理冷凍食品会社キングアンドプリンス社やチリ、インドネシアの養殖事業会社の不振などにより、営業利益、経常利益とも前年の半分以下。
 特別利益として晴海冷凍工場跡地の売却による固定資産売却益など269億7300万円を計上し、特別損失としてキングアンドプリンス社の「のれん」等の減損損失や固定資産処分損など138億5200万円を計上し、当期純利益は93億9000万円とした。
 水産事業 主要魚種であるスリ身、エビ、鮭鱒などの販売数量が減ったのに加え南米の鮭養殖会社での地震や魚病等の影響、さらにエビ養殖事業の大幅な改革の遅れなどがあり、売上高は27億5500万円減の2308億2200万円、営業利益は54億7500万円減の8000万円。
 食品事業 「エコクリップ」仕様の魚肉ソーセージや業務用冷凍食品は売上げを伸ばしたものの、連結子会社である食品卸会社が合併により持分法適用の関連会社になったことに加え、原材料価格の上昇や販売経費の増加および中国産食品の安全性への不信感による家庭用冷凍食品の売上げの大幅な減少があった。キングアンドプリンス社が販売不振。売上高は前期より172億5200万円減の2518億3600万円、営業利益は26億9500万円減の16億2700万円。
 物流事業 冷蔵倉庫事業は7億3800万円増の124億1200万円となったものの、営業利益は1億4400万円減の19億9200万円。
 ファイン事業 売上高は2300万円増の248億8900万円、営業利益は8億3100万円減の60億円となった。

「鰹・鮪」が稼ぐ
極洋
 極洋は、上半期における水産商事の不振が痛かった。エビ、鮭鱒の相場下落で大きな処分損を発生。売上高は前年の824億円から706億円と117億円のマイナスとなった。逆に加工食品は売上高が前年の499億円から551億円に増えたが、加工用原料の価格高騰で営業利益は2億4800万円の減少。鰹・鮪セグメントの極洋水産、物流サービスセグメントの極洋海運が高収益を上げ、連結決算に貢献した。
 水産商事は中間期で在庫などのマイナス要因を一掃した後、業績は回復に向かっており、「通期でカバーしたとまではいえないが、相当挽回できた。この勢いは4月に入ってからも継続している」(福井清計社長)と今期に期待。
 加工食品事業は原料高騰を理由に値上げに踏み切るなど強い姿勢で臨んだが、今後も継続して利益確保に努める方針。天洋食品の冷凍餃子問題では、検査体制の強化により原料調達で少なからず影響があったが、業務用を主体としているため、販売面での打撃は軽微。
 鰹・鮪は売上高が27億円減少したものの、堅調な魚価に支えられ、営業利益は5億3600万円増加した。
 今期は売上高1550億円、営業利益33億円を計画。「現実の厳しさを考慮した手堅い目標」(福井社長)とした。海外戦略・加工戦略を二大テーマに据え、タイの合弁会社、KUEの冷凍すしは前年220tから500tに大幅な増産を予定している。

低温物流が貢献
ニチレイ
 ニチレイは増収減益となったものの、営業利益で173億円を確保し、同社の手堅さを印象付けた。ただ、コアである加工食品事業で営業利益が3割減少した上、“再生プラン”をもとに黒字化を図った水産事業も赤字から脱却できなかった点は今後も暗い影を落としている。
 稼ぎ頭となったのは低温物流事業。地域保管事業が老朽施設の閉鎖などで減収減益となったが、物流ネットワーク事業、海外事業が伸びたことで、全体の売上高は3.5%増の138億円。営業利益も17.7%増の85億円を確保した。
 特に欧州(オランダ・ドイツ・ポーランド)と中国で展開する海外事業は売上高で26%増、営業利益は118%増と大幅な伸びを示した。
 好調な低温物流事業と対照的なのが水産事業。売上高は746億円でほぼ横ばいだったが、3億5300万円の営業赤字が4億5500万円へと拡大した。
 今期は「正念場の年」(村井利彰社長)として2億円の営業利益を計画。事業所(北海道)の閉鎖や要員の削減を断行するなどして、固定費を3億円圧縮する予定だ。
 加工食品事業は、業務用調理冷凍食品が堅調に推移したが、ミートホープや天洋食品問題などの影響を受けた家庭用調理冷凍食品が7.5%の大幅な減収。「中国冷凍餃子事件で2月は売上げが25%減少。3月は15%減、4月は数パーセントと徐々に回復しているが、影響は第2四半期まで及ぶと見ている」(村井社長)。

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