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今週の一本

●年末カニ商戦 タラバ高値でズワイにシフト  鳥越美紀 (週刊水産タイムス:08/11/03号)

年末の消費拡大に期待

 年末へ向けてのタラバガニ・ズワイガニ商戦は、金融不安の影響で高級商材を避ける消費者の行動から先行き不透明となっている。ロシア産タラバガニは高値だが、ロシア産ズワイガニは価格が据え置かれている。ズワイガニにシフトし、いかに値ごろ感を出せるか鍵となっている。

 日本は、輸入タラバガニ・ズワイガニの6割をロシア、その他3割を米国から仕入れている。全体の輸入量は11〜12万tで推移していたが、昨年はロシアの密漁規制が強化され10万tを割った。ロシア政府による輸出制限などで今年も減少傾向は続いている。
 冷凍・生鮮を合わせると、ズワイガニは07年3万9500tから08年3万4000tへ若干減少、タラバガニは07年1万9300tから08年は1万4000tに減少すると予測されている。
 ロシア産タラバガニは、ピーク時の96年に4万5400tあったが、06、07年は漁業規制が厳しくなり大幅に落ち込み、今後も増量は期待できない。
 過去のロシア産中心サイズ(L)のタラバガニ卸相場は、キロ1000円台後半から2000円前半。供給量が減少する中、今年のロシア産カニ相場は急上昇した。
 昨年10月のタラバガニ卸相場はキロ2000円程度であったが、今年初めに2000円を超えた。その後、ないもの相場が続きピーク時はキロ2500円を超えるまで上昇している。
 アラスカ産タラバガニは中心サイズが3L、4Lと大型で人気が高く、ロシア産よりも高値で取引されていた。供給減の中、昨年並みのキロ2600円で推移すると、アラスカ産タラバに割安感が出るため、引き合いが強まる可能性がある。
 一方、ロシア産ズワイガニは07年キロ1200円以上で取引きされたが、今年に入り価格が下降した。売れ筋はキロ1100〜1200円で、昨年よりも低く抑えられている。

アラスカ産カニ買付、円高で日本有利に
 米国アラスカ産タラバガニの輸入量は、07年2500t、今年も同量で推移すると見込まれている。アラスカ産ズワイガニ輸入量は、07年2200t、今年は米国内需要が縮小する可能性もあるため、それより上回ることも考えられる。
 昨年までデフレ・円安の日本は、インフレ・ドル高の米国に買い負けていた。9月から金融不安により状況が一変。米国のレストラン売上が対前月比20〜30%下がり消費が落ち込んでいる。今シーズンはマーケットを引っ張った米国内需要の動きが鈍ると見込んでいる。
 さらに米国のパッカーサイドは米国内へ供給する際、現金回収の不安がぬぐいきれない。そのため、確実に現金回収できる日本市場へシフト。少量で動く米国内向けより、一度で大量に取き引する日本向けに流れてきている。
 日本向け米国産タラバガニのC&F価格(CostandFreight:運賃込価格)は、2ドル上昇した。C&F価格が上昇するも円高で価格は昨年並みとなった。

嗜好品に需要あり
 昨年、日本の年末商戦は、タラバガニ供給量が減少した替わりにズワイガニに需要が伸びた。今年も同じ流れが起きると予測されるが、年末以外の荷動きは大きくなかった。
 従来は、量販店でシーズンごとにカニが販売されていた。4月のお花見、9月のお盆、そして年末年始。年初めから少量ではあるが売られていき、年末に量販店で多く消費されていた。最近は年末だけ販売する店が増え、カニにとっては年末商戦が一層重要なシーズンになっている。
 ところが現在、カニだけでなく高級食材は、量販店で苦戦を強いられている。日本スーパーマーケット協会の9月の売上報告によると、マグロ、魚卵、ウナギは値ごろ感が出せずに購入量が減少している。
 年末商戦のカニの動きについて市場関係者は「ロシア産が基準となるが、アラスカ産が入ってくる来月中旬にならないと動向は分からない。もしアラスカ産タラバガニが昨年並みの価格であれば、アラスカ産タラバガニの需要が伸びるのではないか。ロシア産タラバガニが高いので、安いロシア産ズワイガニか、高くても大きく見栄えの良いアラスカ産タラバガニの需要が伸びるだろう。先行き不安の中でも、正月だけは良いものを食べたいと、年末年始の嗜好品は需要はあるのではないか」と、消費の伸びを期待している。
 「過去の経験からは予測できない状況ではあるが、カニに対する購買意欲はあるので年末ぐらいはカニで贅沢しようとなってくれれば、多少注文が増えるだろう」と、輸入関係者も話す。
 高級食材のカニであるがズワイガニやアラスカ産タラバガニで値ごろ感を出せれば、年末、消費拡大のチャンスが見出せる。

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