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今週の一本

●鶏肉に引きずられる白身魚フライ  越川宏昭 (週刊冷食タイムス:09/02/17号)

昨秋以降、安値出回り

白身魚フライは根強い人気がある
(写真上はニッスイ、
下はマルハニチロ食品)
消費低迷、在庫増が安売りに拍車
 昨年は前半と後半で食品原料を取り巻く情勢が劇的に変化し、冷食メーカー各社を翻弄した。特に影響を受けた原料が牛豚鶏といった畜肉関係、そして白身魚をメインとする水産系原料である。情勢変化を一言でいえば昨年秋口までは原料の調達難、相場高、円安という三重苦。大多数は原料確保のために高値を承知で大量に買いつけた。それも1ドル110円台〜100円内外という為替レートである。これに対して秋以降は米国のサブプライム問題に端を発する世界同時不況となる。これにともない原料供給事情が一転して緩み、原料相場も軒並み低下した。さらに急激な円高が拍車をかける。昨年は前半と後半では様変わりであった。

「安全重視」が歯止めになるか
 商社、メーカーはかなりの牛豚鶏肉の在庫を抱え込んでいる。大手畜肉ハムメーカー各社はもとより、冷凍食品メーカーもハンバーグや牛丼などの畜肉原料を大量に在庫して苦しんでいるところが少なくない。
 鶏肉原料の中でもとくに懸念されているのが市中に大量在庫されているとみられるブラジル産原料の動向である。12月末現在の累計輸入量は31万t、前年より25%増と国別では群を抜いている。
 中国、タイが鳥インフルエンザの影響で輸出不能に陥っているなか、日本としては供給余力をもつブラジルに頼らざるを得ない状況。欧州市場の需要低迷を補いたいブラジルにとっても購買力のある日本市場は狙い目である。
 ところが昨今は日本市場も消費低迷、低価格化傾向を強めており、大量輸入された鶏肉は思うように消化できていない。在庫の膨張に反比例してブラジル産鶏肉の相場は低迷、一時の価格のキロ500円内外が今や220〜230円と半値の水準。しかも相場的にも弱含みで推移しており、関係者は「在庫が消化されていないので、もう一段の投げ売りが出るのでは」と憂慮している。

鶏肉の価格低迷白身フライ直撃

 鶏肉の価格低迷は水産原料を使用する冷凍食品にも影響を与えている。白身魚フライは水産品の定番品といえるが、同様に在庫をかかえ期末までに消化を急ぎたいとする業者が少なくない。多くは惣菜や弁当のおかずに向けられる商品だが、安い鶏肉が潤沢に出回ることで主菜の座を奪われるケースが見られる。
 13日のNHK朝の報道番組でも不況に苦しむ単独スーパーが起死回生策として250円の手作り弁当を売り出した事例を紹介していた。その弁当のおかずのメインが鶏の唐揚げだった。
 安くて素材がはっきりとした鶏の唐揚げは惣菜や弁当に欠かせない人気の食材である。安価な鶏肉が出回れば白身魚フライが食われるのは目に見えている。
 某問屋グループの購買責任者は「60gの白身魚フライが商社筋から18円で持ち込まれている。昨年前半に比べると五割は安くなった」と驚きを隠さない。
 白身魚フライの扱いが大きい大手冷食メーカーA社に聞くと、「大体25円から30円が妥当な線なのに、最近も大手水産会社筋から20円を割る超安値で売り込まれ、足を引っ張られている」と困惑顔である。
 大手水産会社B社の責任者は「白身魚も原料によって様々。スケソーやホキは原料もタイトだし、在庫も薄いので安売りする状況ではない。ただ、ブルーホワイティングなら18円でも出せる」。さらに「従来の衣比率50%を60%に変えてもいいから安いものをくれという顧客が増えている。低価格傾向が強まれば衣比率をいじって対応するメーカーが増えるかも」と事情を明かす。
 不況下で低価格化が進むと予想されるが、品質保証のニーズも強く、単に安ければいいという顧客は少なくなった。「安くても安全安心は確実に」と求める末端事情があり、これが低価格化に一定の歯止めをかけることになりそうだ。

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