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今週の一本

●中国の冷凍食品事情
輸出型の日系は苦戦  去石誠一 (週刊冷食タイムス:09/03/31号)

成長続ける中国企業
業務用ルート拡大に意欲を示す

三全食品の新工場の一部
(写真奥が立体自動冷蔵庫)
 2008年は天洋食品事件を発端とする一連の事故や不祥事を背景に、中国で生産する冷凍食品に対する不信感が急速に拡大した。これに伴い日本の冷凍食品産業はかつて経験したことのない危機的状況に陥ったのと連動し、中国に進出する冷凍食品工場の事業環境も一変した。日本からの注文が軒並み前年実績を割り込み、「本社から日本の需要が回復するまで内販の道を探りながら耐えてくれ」という指令が相次いだ。こうした輸出型の工場が苦戦するのを横目に、内販を主力とする中国資本の冷凍食品メーカーは堅調な成長を続けている。これまでの市販用から一歩進み、ホテル・レストランなど「業務用ルートの販売強化」を掲げているのが大きな変化のひとつ。中国における冷凍食品産業の実態を取材した。
 
 08年1月30日に発覚した天洋食品事件の影響から、中国に進出する日本の冷凍食品メーカーは旧正月(2月7日)入りと前後して生産を休止。例年ならば旧正月明けから殺到する日本からのオーダーが実質的にストップした。日本国内の需要も冷え込んだままで、しばらくの間は生産調整が続いた。
 3月中旬、中国各地で検査業務を担う政府機関CIQ(中国国家質量監督検験検疫総局)から、輸出工場の検査基準を強化する旨の連絡が入り、現地での生産再開は大幅に遅れた。CIQの通知内容が地域によって異なったことや、検査の強化で従来の2倍以上も出荷に時間がかかり、日本の在庫が品薄になるなどの混乱も各地で発生した。
 4月になってようやく回復基調が見え始めてきたものの、5月に鶏肉から合成抗菌剤ニトロフランが検出され、中国からの鶏肉加工品の輸出が再びストップ。8月8日の北京オリンピックという国家レベルの一大イベントを控え、必要以上に慎重な対応をとられたことで、動き出したのは五輪開会式の後だった。
 続いて9月、乳製品へのメラミン混入が明らかになり、中国の食品産業は大混乱。乳幼児の健康被害が報道されると、中国の消費者の食品に対する不信感は絶頂に達したという。「メラミン事件に関しては中国の方が日本よりも大騒ぎになった」と日本の駐在員は口を揃える。これに世界同時不況が追い打ちをかける形となった。
 日本への輸出に頼る日系冷凍食品工場の大半は「失われた08年」と表現。09年の目標を「本来は08年達成の計画だった数字の取り戻しが第一」と答える。

中国トップ2社が新工場建設
 中国で調理冷凍食品の2大企業と言われる三全食品と思念食品(ともに河南省鄭州市)は元気一杯だ。両社とも中国国内で販売する市販用冷凍食品が主力商材。餃子やワンタン、湯圓、粽、中華饅頭などが主要都市の大規模店舗には必ず商品が並んでおり、2社の市場占有率は50%前後と推測される。さすがに、「中国も経済不況の影響はある」と認めるものの、両社とも08年売上高は「二ケタの増収」という。
 三全食品は本社近隣に約3億5000万人民元(約52億5000万円)を投じて餃子と湯圓の新工場を建設中で2010年完成、年間10万tの生産能力を持つ。本社工場が手づくり中心なのに対して「新工場は機械化を進め生産効率をアップ」(同社)。併せて大規模な立体自動倉庫も建設中だ。
 思念食品も2012年完成をめざして新工場の建設をスタートする。やはり原料処理から、餃子の包餡、包装まで自動化する計画。また2万5000t規模の保管能力をもつ立体自動倉庫も併設する計画で、考え方は三全食品と一緒。
 両社とも欧米への輸出は5%程度あるが、対日輸出の実績は実質ゼロ。ただし以前から対日輸出許可の申請を続けてきた三全食品は「4月に日本の農水省が検査に来る予定だ」という。
 この大手2社が今後の課題として掲げているのが、「業務用ルートの開拓」。既にホテルやレストラン、ファストフーズなどの業務用分野も手掛けてはいるが一割にも満たない規模。両社とも「日本における冷凍食品発展の歴史をみれば、今後中国市場で大きく伸ばすには業務用市場の開拓が不可欠だ」と声を揃える。

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