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今週の一本

●冷食業界の“新世紀”始まる  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:09/04/14号)

失われた1年バネに
「特性」の原点訴求

国内工場の手直しも各社進める
 冷凍食品業界の“新世紀”がスタートした。冷凍食品の信頼性を高めるため、メーカー、問屋は啓蒙活動にこれまで以上に積極的に取り組む。安全安心の担保力を高めるため、冷凍食品協会は工場の認定制度を今月から大幅に変えた。海外に重点化していた反動で手薄になっていた国内工場の設備増強にも今年は各社が力を入れる。有力会社の組織、人事も大幅に刷新された。天洋食品事件をきっかけとして「暗黒の1年」を余儀なくされた冷凍食品業界。その後の金融恐慌などが重荷となってはいるが、需要は明らかに回復してきた。

冷食協の新認定制度スタート
 天洋食品事件は冷凍食品業界の様々な問題を浮き彫りにした。とりわけ冷凍食品に対する消費者不信は根強く、長引いている。一方で業界が消費者対策として「値引き販売」にこれまで頼り切っていた矛盾も如実に示すこととなった。
 そこでメーカー、問屋は冷凍食品の特性、良さや、徹底した品質管理、原料からのトレース管理に取り組んでいることなどを市場にアピールする方向を今年はそれぞれ打ち出している。
 味の素冷凍食品はエビシューマイの原料から加工、販売までの一貫した管理体制を強く訴えるカラー全面広告を全国紙に、今月初旬掲載した。ほかの有力各社も安全安心品質管理をクローズアップした啓蒙活動を予定している。
 有力冷食問屋で組織する市冷協(首都圏市販冷食連絡協議会)は秋に実施していた普及・店頭キャンペーンを、昨年の8〜9月より今年はさらに前倒して、5〜6月に実施する。
 冷凍食品の安全安心を現場から体験させるため、工場見学会も今年は昨年以上に本格的に実施される。冷食協はマスメディア対象に加え、今年から消費者代表にも枠組みを広げ、また、海外に限らず国内工場にも消費者代表を招く。視察レポートはインターネットなどを通じ、消費者に広く伝える。市冷協も工場見学会を昨年に引き続き行なう。

 工場のハード面に重点を置いていた冷食協の工場認定制度は、安全安心対策のソフト面を加えた、この制度始まって以来最大の改革を行ない、新制度が今月からスタートした。
 これまで冷食協は、市場拡大の勢いに合わせて会員増強をめざしてきたが、今回の新制度はハードルを相当高くしたことにより、認定基準に満たない工場が相当数認定資格を失なうという、これも協会始まって以来の事態となった。
 しかし「消費者の冷凍食品に対する失われた信頼を回復するためには、相当厳しい態度でのぞむべきだ」と多くの業界関係者が新制度の導入を歓迎している。
 組織、人事も4月からかなり変わった。
 加ト吉はJTフーズを事業統合しスタートした。市販用冷食の第一営業本部は渕靖JTフーズ社長が加ト吉常務執行役員となって本部長に。業務用の第二営業本部長は羽場淳二執行役員。常温の第三本部(大賀和幸執行役員本部長)と合わせ、営業統括本部長を兼ねる渕常務が総括する。
 「ジェイティフーズ」の市販用ブランドは「カトキチ」に集約。凍菜の「グリーンジャイアント」は残る。業務用の「ジェイティフーズ」ブランドも秋には集約する。新体制発足と同時に予定していた新社名は秋まで持ち越しとした。
 マルハニチロ食品も旧マルハ、旧ニチロとアクリフーズ間で大幅な異動を行なった。日水は食品と水産を包括する事業推進本部を3月発足し、細見典男常務本部長の体制になった。
 工場も大幅改革が進む。この10年間、中国を中心に海外投資が続いたが、国内は手付かずだったため、国内工場は実質的に20年間本格的手直しがなく、施設、設備、システムを含め相当古くなっている。そこで、国内産需要も背景として、国内工場の増改築を計画するところがかなり多い。既に機器会社には発注が相次いでおり「納期遅れが始まっている」という。
 業界団体も新たな段階を迎える。日給連は50周年、外食協と惣菜協は30周年の式典を来月行なう。
 遅れていた冷凍食品“新世紀”がこれから始まる。

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