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今週の一本

●高値の後遺症でスリ身市場凍る  辻雅司 (週刊水産タイムス:09/07/13号)

米国Bシーズンは大減産

洋上スリミ工船
低級スリ身のみ生産の業者も
 Bシーズン(下期)のスリ身事情をシアトル関係者に取材した。米国生産者は日本のスリ身市場がまったく動かず、特にFA級、A級の上級スリ身が消化されていないことから、フィレー生産にさらにシフト、スリ身生産は特定顧客の水産ねり製品メーカー向けに特注品を生産している母船やスリ身生産に注力している日本の大手水産会社の陸上スリ身工場で4割から6割となっているが、それ以外はフィレー生産によって中落ち部分の魚肉を原料に生産されるRA級など低級スリ身を1割ほど生産するとし、全体では大幅減産となっている。

 近年、欧州における健康志向やBSE事件を契機に、白身魚であるスケソウダラ・フィレー需要が拡大。米国生産者はスリ身からフィレーへの生産にシフト、価格もユーロ通貨高や経済の過熱も加わり一本調子で値上がりした。スリ身価格もフィレーに引きずられ、米国の生産者主導で値上がり、昨年Bシーズンは日本のユーザーである水産ねり製品メーカーの懐事情を無視する形で、昨年Aシーズン(上期)より、上品質のFA級で160円アップのkg650円(SA級は680円)と、バブル期の1991年に記録したSA級(最上級品質)810円に次ぐ超高値となった。
 
欧州フィレー価格は一割下げに
 また、今年はスケソウダラの漁獲枠が昨年の100万tか82万5000tに削減されたことなどもあり、スリ身価格はFA級で昨年のAシーズンの価格を10円ほど下回るkg490円に戻されものの、日本側が求めるさらなる大幅な値下げとはならなかった。
 こうした中でBシーズンのスリ身生産がスタートしているが、昨年の超高値のスリ身価格を嫌った水産ねり製品メーカー各社は、高値となったFA級やA級のスリ身の使用を極力避け、低級のRA級スリ身や東南アジアのスリ身を原料に使用したことから、米国産のスケソウダラの上級スリ身の消費が滞り、Bシーズンでは全体として3分の1以下の生産となる模様。
 これは日本だけではなく、米国産のスリ身を使用している欧州のスリ身市場も不活発となっていることも減産理由に挙げられる。
 一方、欧州のフィレー市場は、昨年秋の金融危機でロシアや旧東欧の代金決済がうまく機能せず、市場は縮小したが、ドイツや英国など西欧は依然としてフィレーの消費は順調となっている。
 しかし、価格はドルベースの手取りでは1t4250ドルが3950ドルに10%ダウンしている。また、米国のフィレー市場も欧州に引きずられて高値となったことから、このところ東南アジアのテラピアなどに市場を奪われている。このため、フィレー市場も好調続きとはいかず、やや陰りも見られている。

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