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今週の一本

●加食事業の立て直し急ぐ  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:10/03/02号)

ニチレイ 業務用チキン軸に採算改善

 ニチレイは苦戦を強いられている加工食品の業績向上策を「事業戦略」にまとめこのほど明らかにした。主軸と位置づける業務用冷食の中で、収益悪化が進むチキン加工品と低価格化対応に遅れたコロッケの構造改革を主体とし、チキンでは期待するタイの大型工場の稼働が来期から業績に寄与すると見込んでいる。

低価格化対応に成果

 同社の加工食品事業は2000年代半ばの円安や鳥インフルエンザなどで採算が一時的に悪化し、外部環境の変化に原料コストが影響を受けやすい体質が浮き彫りとなった。
 そこで構造改善のため、市販用冷食は減収覚悟でリベート、販促費見直しに取り組んだ。一方で業務用は冷食の強みを活かせる中食に重点化し、その結果、チキン加工品の売上げは04〜08年で1.43倍に拡大した。
 しかし08〜09年は原料高で大幅減益。特にチキンは海外OEMに依存する構造が業績悪化を大きくした。業務用の価格下落も戦略転換を迫る要因となった。
 中でも重点化した業務用冷食は収益改善のため08年下期に売上げの4%(約32億円)、チキンを除くと7%に相当するアイテムを削減したが、市場で進んだ低価格化の影響も加わり、同社業務用売上げは前年割れに業績が悪化した。
 同社の業務用製品は中〜高価格帯が主力なので、低価格化ニーズに対応が遅れたことも業績に響いた。特に業務用コロッケは低価格化が進んだ09年2月以降、主力の量販店惣菜向けで他社品への切り替えが発生するなど前年割れに拍車をかけた。
 そこで昨秋から(1)低価格帯商品(2)高価格帯で品質をさらにアップした商品を投入したところ、11月以降、減収に歯止めがかかった。品質改善のため、衣比率が5%少ない35%のコロッケを森工場で実現した。

タイのチキン4万3000トンに拡充

 コロッケと同様に業務用事業の収益悪化に影響していたチキンも巻き返しを図る。チキン加工品の需要は伸びており、特に業務用では冷凍食品への転換が今後見込めるが、同社は需要拡大分をタイのOEM先からの調達でカバーしてきたため、原料や製品価格が採算に大きく影響していた。
 そこでOEMからの調達を昨年7月で打ち切り、新たにブロイラー大手GFPT社と合弁でGFN社を設立。自社生産比率を高める戦略に切り換えた。
 新工場はチョンブリ県ノンヤイ郡に64億円を投じ、建屋4万2000平方m(約1万3000坪)を整備している。鶏肉加工場(スローター)と加熱加工工場の2棟を“チキントンネル”で連結し、原料からの一貫生産管理を行なう。工場は直線で約550m、工場建屋を含む敷地は約1kmという超大型の生産拠点。
 1期工事で2ラインを敷設し、年間1万8000tの鶏肉加工品の生産能力を備える。既存のSUNIF(スラポンニチレイ食品)カビンブリ工場にも7000t能力のチキン加工ラインを増設しており、両工場で計4万3000tのチキン製品製造能力を持つ。
 国内と合わせ11年度には7万6000tの生産能力に拡充する。この時点で自社生産比率は08年度比25ポイントアップの80%となる。GFN工場はさらに3ラインの増設余地を確保している。
 冷食を主体とするニチレイの加工食品は05年度以降減収。今期も3.1%減の1686億円で前期比50億円強の減収見込み。営業利益も07年度から悪化し、今期は07年度比で四割に落ち込む見通し。事業の立て直しが急務となっている。

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