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今週の一本

●大手の冷食 減収ながら緩やかに回復  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:10/05/18号)

新商品の好不調が明暗分ける
単価の下落も影響

 大手食品・水産会社の前3月期決算発表が続いている。冷凍食品事業は市場投入した新商品の好不調で明暗を分けている他、商品単価の下落が影響して減収を余儀なくされた企業が多い。ただし、2008年1月下旬に発覚した中国の天洋食品事件の影響からはかなりの部分で脱却し、緩やかな回復基調を示している。味の素が冷凍食品で過去最高益をあげた他、ニチレイはタイのチキン新工場稼働に期待を寄せている。

ニチレイ
市販用冷凍米飯5品売れ行き好調

 ニチレイの連結冷食売上げは99億円減(5.5%減)の1698億円となった。
 市販用調理冷食が前年を3億円上回る(0.7%増)464億円。値頃感のある増量品「えびピラフ」や「本格炒め炒飯」等5品が好調で増収増益。商流費は増加したが原料安で増益。
 業務用は95億円減(10.9%減)の774億円で減益。チキン加工品で売価を引き下げ数量増をねらったが、下期から収益改善のためアイテム絞り込みを行なったため減収。値頃感を打ち出した「北海道サクッと男爵コロッケ」なども投入したが減収。原料安とアイテム集約で収益性は改善傾向にあるが、減益。
 農産品など調理冷食以外が7億円減(1.5%減)の460億円だった。
 農産品は0.5%減収で増益。アセロラは29.2%減収だが増益。ウェルネスは1.2%減収だが増益。
 冷食中心の加工食品売上げは6.9%減1620億7300万円と減収だが、営業利益は26.6%増25億6100万円と改善。
 今期は増収減益見込み。加工食品は0.9%増1636億円と前年並の見通しだが、利益は56.2%増40億円と大幅改善を期待。特にタイに新工場が稼働するチキンで「業界内の圧倒的なポジションを確立する」と意気込みを示している。

味の素
冷食過去最高益
連結冷食5%減

 味の素の連結冷食売上げは5.1%減1078億円と前年の1136億円から割り込んだが、営業利益は前期の15億円から28億円上乗せ(153.6%増)となり43億円を確保、同社の冷食過去最高益となった。
 営業利益率も前年の1.3%から前期は4.0%と著しい改善を見せた。
 日本国内の冷食売上げは5.0%減1004億円。市販用が6.6%減で約602億4千万円、構成比は前年より1ポイント減の60%。これに対し業務用は2.6%減401億6千万円で前年比1ポイントアップした。
 主力品「ギョーザ」の売上げが順調に回復したが、米飯類や一部弁当商材が前年を大きく割り、減収。
 伊藤雅俊社長は決算会見で今期のグループ基本方針として「冷凍食品事業の収益構造強化と販売回復」を掲げ、冷食売上げは市場を拡大させる商品提案で市販用、業務用とも販売を回復させ、約65億円の増収、営業利益はマーケティング費の増加を見込み、前年並という方向を示した。

マルハニチロHD
春の「華炒麺」など新製品好調

 マルハニチロHDの連結冷食事業は業務用の販売低迷等で売上げは前年並だったが、市販用で21年春の「華炒麺」などの新製品が好調。国内工場産品の販売も順調で、原材料安、コスト削減、グループ工場の稼働率向上などもあり、増益となった。
 連結冷食売上げは0.2%減1232億8900万円と前年並を確保した。
 マルハニチロ食品単体では、市販用冷食5.2%増398億1600万円(682万8千ケース)と伸びたのに対し、業務用は4.9%減422億4千万円(747万4千ケース)と苦戦し、計0.3%減820億5500万円(1430万1千ケース)と前年並。
 魚肉ハムソー、ちくわ、缶詰など加工食品は減収増益。畜産は減収減益。化成品は増収増益。アジア・オセアニア事業ではタイで生産する冷凍食品が堅調、缶詰は伸び悩んだが、原料の安定とコスト削減等で増益。
 以上を合わせた食品売上げは5.7%減の2747億4800万円と減収ながら、利益は冷食事業等の貢献で37.1%増の122億300万円と改善した。

日本水産
増益の半数は冷食事業の貢献

 日本水産の単体冷食売上げは市販用調理品7%増386億2500万円(4万7100t)、業務用調理品3%増292億700万円(5万1700t)、農産冷食11%増62億3400万円(1万8000t)と増収で大幅増益を果たした。
 冷食事業の利益改善が最も貢献し、連結食品営業利益は約57億円改善し45億3500万円と過去最高益を確保した。「増益の半数は冷食事業の貢献」。北米のキング&プリンス社は赤字幅縮減、中国の山東山孚日水は生産収支を好転させた。
 今期は増収で大幅利益改善を見込む。このうち冷食は市販用調理品で420億円、業務用調理品320億円と増収で増益を期待。特に業務用の拡大を見込む。

極洋
前期冷食は水産好調、調理不振

 極洋の前3月期冷凍食品は、数量で5万5890t(同3.0%増)と前年を上回ったものの、金額は381億8500万円(前年比4.4%減)と前年実績を割り込んだ。うち水産冷凍食品16.8%増3万0829t/2.3%増241億0200万円、調理冷凍食品10.0%減2万5061t/14.0%減140億8300万円。
 水産冷凍食品は国内向け寿司種商材や加熱用商品、欧米向けタイKUE社で生産する寿司関連商材が好調に推移した。半面、調理冷凍食品は原料事情から畜肉加工品の扱いが減少した他、国内生産する水産フライ類や練製品など高単価製品の販売低迷が響いた。

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