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今週の一本

●台湾産枝豆、ブランド化に活路  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:11/03/08号)

新品種は豆の実入り多く、芋の香り

日本と台湾の冷凍野菜関係者が
一堂に会し、親睦を深める懇談会も
20回を数えた
 2010年の冷凍枝豆輸入数量は13.4%増6万6818tと二ケタ伸びた(財務省貿易統計より)。台湾産が8.9%増2万4617tで08年から3年連続トップシェアを確保した。タイ産が12%増1万9661t、中国産が21.3%増1万8961tで続き、上位3カ国が輸入数量の95%を占めている。大規模農場で機械化を進めてきた台湾産の枝豆は中国・タイ産に比べて割高なため、生産者は安全安心品質に基づいたブランド力で競争力を高めたいという思いがあり、品種改良にも積極的に取り組んでいる。

 台湾の冷凍野菜・果実生産者団体、台湾区冷凍蔬果工業同業公会(蔡敬虔理事長)は例年、FOODEX JAPAN(国際食品・飲料展)に合わせて来日し、日本の取引先を招いて懇談会を開いている。今年(3月3日開催)で20回を数えるまでに信頼関係を築いてきた。懇談会には台湾の行政関係者も加わり、官民一体で対日輸出の促進を働きかけている。
 枝豆のブランド化に向けて台湾政府の研究機関、行政院農業委員会高雄区農業改良場の黄徳昌場長は次のように語っている。
 「台湾の枝豆の歴史は40年あり、日本市場を重視している。今では日本の法律に基づいて農薬を使い、日本のニーズに合致した生産履歴管理システムを構築している。これまでブランドの概念もなかったが『台湾産』のロゴを作り、ブランドの確立にも力を入れている。主要品種の高雄6〜9号の品種権は日本の雪印種苗に譲渡し、無断で栽培されないように保護している。すでに高雄10号も開発した。10号に続き、鞘により多くの豆を実らせ、芋のような香りがする品種の開発に力を入れており、1〜2年以内に紹介できると思う。ほのかな芋の香りは日本の消費者にも気に入ってもらえるはず。日本のコシヒカリのように、パッケージに品種名も表記してブランド力を高めたい」。

日本国内で高い評価

 実際、日本市場での台湾産枝豆に対する信頼性は高い。
 冷凍野菜を扱う日本のメーカー、商社で組織する輸入冷凍野菜品質安全協議会の河合義雄会長は「2010年も台湾産冷凍野菜に残留農薬基準などの違反はなかった。これは台湾の生産者のたゆまぬ努力の表れ。これが日本の消費者の信頼につながり、売上げ増の主要因になっている」と大きな信頼を寄せる。
 輸出入食品の検査機関、(財)日本冷凍食品検査協会の前田重春理事長は「台湾産冷凍野菜に関しては問題が起きないので仕事が少ない。これは大変なこと」と賛辞を送る。
 ある大手小売は、冷凍食品売場で中国産を扱っているが、惣菜売場では台湾産を選択している。「価格よりも品質を重視している」(惣菜担当バイヤー)。
 昨年1年間の累計で見ると、台湾産は中国産に比べて1kg当たり40円程度高い。ただし、現在の状況がこのまま続くとは限らない。中国産の冷凍さといもやごぼうは中国国内の消費が伸びて昨年は3割前後高騰している。「おいしい枝豆の味を覚えた中国人が増えた」(日本のメーカー)ことから、枝豆の価格上昇も十分考えられる。
 日本水産の山橋英一郎執行役員は「中国産冷凍野菜も人件費の高騰や旧正月明けの人手不足で状況は変わってきている。台湾でもいんげんやブロッコリーの栽培が今後有効では」と見る。かつて台湾から中国へ生産拠点がシフトした品目が再び台湾に戻ってくると期待する関係者も少なくない。
 春と秋の年2回収穫する枝豆生産における課題は連作障害。そのため秋作の収穫(11〜12月)後、1〜3月でスイートコーンを栽培しているが、まだ緒についたばかり。稲作も有望だが、台湾域内での需給バランスとの兼ね合いもあり、栽培できる品目に制限がある。
 ある専門家は連作障害を避けるため、次のようにアドバイスしている。
 「作物を栽培すると、土中にその作物にとって有害な微生物が増える。次にその微生物と相性のいい作物を植える。するとその作物にとって有害な微生物がまた増える。さらに相性の良い作物を植える。こうして3品目のサイクルが軌道に乗れば、農薬も不要になるほど地力が付く」。

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