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今週の一本

●東日本巨大地震の被害甚大  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:11/03/22号)

生産量減退は必至
物流網寸断で原料資材の調達困難

 地震と津波の大震災が発生してからほぼ1週間を経て、冷凍食品関係業界に想像を超える極めて大きな影響を及ぼすことがさらに浮き彫りになってきた。地震と津波の直撃を受けた東北、関東の太平洋沿岸部の冷食工場だけでなく、電力、燃油、水道などの動脈が切断されたため、地震の直接の被害がない首都圏にも冷食物流の停滞、供給困難などの問題が発生している。天洋事件を乗り越えて、新たな需要拡大に取り組もうとした矢先の大災害。冷食業界の知恵とパワーを結集してあたるしかない。
 いま冷食業界が直面している問題、懸念をまとめると次の点が指摘できる。
 (1)災害を受けた工場などの従業員の安否確認
 (2)工場、物流・倉庫等の施設の損傷把握と復旧計画の立案、着手
 (3)燃油確保が著しく困難なため物流はもちろん、従業員の通勤も困難
 (4)計画停電に伴う従業員の確保、原発事故からの従業員の安全確保
 (5)被災地周辺の停電による冷凍倉庫内商品の品質確認、コンピュータなどシステム上の確認
 ほかに、学校給食などでは給食業務の中止で発注済商品をキャンセルされるなど様々な問題が相次いでいる。メーカー・卸間の年契条件が未達となれば、リベートの支払い交渉等も今後発生すると考えられる。しかし先送りできる案件は延ばし、緊急案件から取り組まなければならない。
 メーカーの生産計画は見直しが必至。損傷を受けた工場の商品は他工場に回すか、発注を断るか。改修で生産が再開できるのか。再建を断念し、新工場建設に踏み切るところも出るだろう。しかし、工場、倉庫等の建物や機器設備を修理しようにも東北の建築業界は公共機関や一般家屋の工事に人手と資材類が取られ、簡単に進むとは思えない。
 燃油の確保は東北だけでなく、首都圏でも深刻。配送車の給油が滞り、営業車や従業員のガソリンも大幅に不足しており、電車は計画停電で思う動きが取れない。福島原発周辺では従業員の安全確保のため自宅待機とする卸店もある。
 停電は冷凍食品にとって大きな痛手。スーパー、コンビニや業務用ユーザーの在庫品は処分することになりそう。流通在庫を抱える大手の冷凍営業倉庫はコンピュータ処理ができず、出荷したくても出せない。中小地域卸店では庫内の荷崩れ処理が先決だが、整理できても停電で品質に影響すれば廃棄せざるを得ない。
 全国的な食料不足を解消するために冷食業界も商品供給を増やしたいところだが、メーカーの生産能力は大きく低下し、物流にも問題があるため、受発注機能が回復するまでにはしばらく時間がかかる模様。
 メーカー、卸店は当分、在庫品でしのぐことになるが、外食、レジャー施設をはじめ多くの業態で業務停止、縮小が相次いでおり、発注商品のキャンセルが相次いでいる。
 燃油、物流網の確保、従業員の通勤手段確保、生産再整備などのインフラが整うまで混乱は続きそう。

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