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今週の一本

●有力企業の決算   (週刊冷食タイムス:11/05/17号)

冷食は堅調な推移
課題は「夏場の電力不足」

 昨年度のメーカーの冷凍食品事業は概ね堅調だったようだが、今期は大震災の影響が読み切れず、冷食事業の見通しを「未定」とするところが多い。前期決算では震災で多額の特別損失をメーカー各社計上した。また、震災の影響による夏場の電力不足に加え、原料・資材の高騰に対応するため、今下期から製品値上げを検討しているところも出てきた。天洋事件の高波を乗り越えた冷食業界は、再び不透明な難局に直面している。 

ニチレイ、冷食好調、業務用と凍菜で増益
 ニチレイの冷食総売上高は前年比で28億円増(1.6%増)の1726億円と規模を拡大した。
 市販用調理冷食は本格炒め炒飯、焼おにぎり、本和風若鶏から揚げなどが好調で16億円増(3.4%増)の480億円。業務用調理冷食は収益性改善のため品目を絞り込んだため3億円減(0.4%減)の771億円と減収だが、ハンバーグなど食肉加工品や春巻など中華惣菜で幅広い価格帯の商品を投入したことにより好調、前年を維持した。重点商品のチキン加工品は下期回復。米飯は苦戦した。
 凍菜などその他冷食は14億円増(3.0%増)474億円と好調。生鮮品不足と高騰に伴い、市販用で枝豆、ブロッコリー、和風野菜ミックスなどが好調。業務用は自然解凍の「そのまま使えるシリーズ」をはじめ、緑色野菜を中心に好調。
 利益は市販用が低価格化で減益。業務用は品目削減効果と製品・原材料の安定で増益。農産品ほかも増益。

味の素、営業利益53億円と大幅増益
 味の素の冷凍食品売上げは17億円増の1095億円(1.6%増)と増収、営業利益は前年の43億円から10億円上乗せし53億円(23.3%増)と二ケタ伸び最高益を更新、グループ全体の収益に大きく貢献した。
 海外販売を除く日本国内の冷食売上げは0.8%増1012億円。このうち市販用は2.5%増で617億3200万円、構成比は前年より1ポイント増の61%。主力の「ギョーザ」や米飯類が順調、「やわらか若鶏から揚げ」も堅調に推移した。
 これに対し業務用は1.7%減の394億6800万円。鶏肉加工品は伸びたが、外食市場の低迷や低価格化の進行でほぼ前年並となった。 

マルハニチロHD、冷食は増収減益
市販と凍菜順調
 マルハニチロホールディングスの冷凍食品事業は「業務用の販売が低迷したものの、市販用の秋季新商品や冷凍野菜の販売が好調だったことなどから、売上げは前年を若干上回ったものの、一部原料の値上がりやグループ工場の稼働率低下などにより減益となった」(同社)。
 食品セグメント売上高は1.6%増2790億6800万円、利益は14.4%減104億4300万円。
 震災の特損は42億7700万円。今期の連結業績予想は「大震災の影響で開示が困難」と見送った。

日本水産、市販用冷食4%
増、業務2%減
 日本水産(個別)の冷食売上げは家庭用調理冷食が4%増402億円、業務用調理冷食が2%減286億円、農産冷食11%増69億円、計757億円となった。冷食以外では「練り製品・ハムソー」が1%減337億円に対し、「常温食品ほか」が8%増272億円と伸び、食品トータルでは売上げ2%増1367億円となった。利益は販促費などの増加で減少した。
 今期は被災した工場などがあることから「あまり大きな伸びを予想していない」(同社)。女川などの工場はまだ復興の見通しが立たず、同じ場所に新たに工場を建設することは非常に難しいと見られている。
 今期は家庭用調理冷食18億円減収、業務用調理冷食10億円の増収、農産冷食はほぼ前期並みの見通しだが、先が読みにくいため「8月ごろにそれまでの実績を見た上で予算の組み直しを考えている」(同)。

日東ベスト、前期冷食売上げ356億円
 日東ベストの冷凍食品売上げは2.1%減355億9600万円となった。価格競争の激化と景気停滞の影響による需要減から売上げが減少し、特に袋入り畜肉製品は7.9%減、畜肉フライ品は2.9%減と苦戦した。
 コンビニ向けを主とする日配食品は8.3%増72億1900万円。缶詰は7.2%減31億6400万円。
 連結業績は価格競争と震災による工場の稼働率低下で売上高が1.0%減の459億8000万円となった。利益面では低価格品が増えたことから売上げ原価率が0.9%減少し、燃料価格の上昇もあって営業利益63.4%減1億7800万円、経常利益55.1%減2億4400万円、当期純利益50%減1億4800万円。売上高営業利益率は0.6ポイント減の0.4%に低下した。
 今期の見通しは未定。

極洋、冷食事業微増収ながら営業減益
 極洋の冷凍食品事業は売上高0.1%増423億4000万円、営業利益55.4%減2億4700万円。水産冷凍食品は前年を上回ったが、利益は前年割れ。タイの合弁会社KUE社で生産する冷凍寿司など欧州向け寿司関連商材は、ユーロ安の影響もあり前年を下回った。
 調理冷凍食品は原料価格の高騰や消費者の低価格志向で減収ながら、主力商品の「かに風味かまぼこ」や「海老加工品」など利益率の良い商材の拡販に努め、利益は前年を上回った。
 水産商事事業は海洋フーズなど2社がグループに加わり下半期の収益に貢献。売上高20.3%増782億9800万円、営業利益41.8%増15億5700万円。

明治HD、震災で当期純利益は27%減
 明治ホールディングスの連結売上高は0.7%増1兆1140億円、営業利益0.3%増288億円、経常利益7.5%増304億円だが、当期純利益は震災の影響と連結子会社の減損会計処理による特損の計上で27.0%減95億5200万円となった。
 今期は売上高1.9%減1兆930億円、営業利益27.3%減210億円、経常利益27.8%減220億円、純利益4.7%増100億円。震災の影響で売上高378億円減、営業利益108億円減を見込んでいる。
 明治乳業(4月1日付で食品事業会社「(株)明治」に)は売上高0.5%増7081億円、営業利益0.8%減174億円、経常利益1.0%増174億円、純利益28.0%減60億円。冷凍食品や栄養食品、マーガリンなどを含む「その他」売上高は4.3%増594億円。
 震災による特損50億円
 明治ホールディングスは大震災による前期の特損50億円を計上した。棚卸資産廃棄損など25億円、固定資産処分損など6億円、その他(義援金・物的支援含む)19億円。売上高への影響は乳製品70億円、菓子・健康20億円、医薬品10億円、合計100億円。利益で40億円と概算している。

日清食品HD、スパ王プレミアム好調で9%増
 日清食品ホールディングスの日清食品冷凍・日清食品チルドを合わせた低温事業は売上高3.6%増513億5300万円、営業利益6%増18億1400万円と前年を上回った。日清食品冷凍は「市販用『日清スパ王プレミアム』シリーズが絶好調」で9%増収。「日清のラーメン屋さんプラス」シリーズ、「日清得正カレーうどん」など具付き麺も好調だった。
 今期は低温事業で売上高521億円、営業利益19億円と増収増益を見込む。

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