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今週の一本

●クロマグロの養殖制限  相模活 (週刊水産タイムス:12/09/03号)

水産庁 全国会議で業者にも要請

 資源の減少が国際的な問題となっている太平洋クロマグロ。特に、未成魚の乱獲が懸念されている。水産庁は来年から、クロマグロ養殖の国内漁場の新規設定やいけすの規模拡大を制限する方針を示した。幼魚を保護することで、資源管理の実効性を高めるためだ。ワシントン条約締約国会議も来年に迫っている。日本が資源管理に積極的に取り組んでいる姿勢を見せることで、各国からの批判や規制要求をかわす狙いもある。まずは、国内規制で先手を打った格好だ。

 「日本が率先して太平洋クロマグロの資源管理に取り組み、国際的な議論をリードしていかないといけない」。水産庁が8月29日、養殖業者や自治体関係者らを集め都内で開いた全国会議で、佐藤正典長官はこう切り出した。この会議で、水産庁は関係者らにクロマグロの養殖場を拡大しない考えを説明し、理解を求めた。

 クロマグロの養殖は、天然の未成魚を捕獲し育てている。近年養殖は拡大傾向にあり、産卵前の幼魚の漁獲量も増えている。このため、親マグロの減少が課題となっている。近畿大学や水産総合研究センターが人工ふ化させたクロマグロを成魚まで育て、再び産卵・ふ化させる完全養殖に取り組んでいるが、まだ商業段階には入っていない。

 水産庁は来年9月の漁業権の切り替えを前に、クロマグロの漁場や養殖場の規模を拡大せず、現状を維持するよう各都道府県に通知している。宮原正典水産庁次長は会議の中で、「未成魚の漁獲を削減し、大きく育ててから漁獲することにより、親魚資源量が中長期的に適切な範囲内に維持されることが重要」と指摘した。

 クロマグロの産卵場は太平洋の南西諸島から台湾東方沖、日本海南西部周辺。稚魚の一部は太平洋を横断し東部太平洋まで回遊する。この時点で2歳魚のクロマグロをメキシコが大量に漁獲している。「日本がいくら漁獲を抑制しても、メキシコが協力しないと元も子もない」(宮原次長)という実態も横たわる。

 また、韓国産クロマグロの輸入状況を見ても、圧倒的に稚魚が多い。「韓国が資源管理をしっかりしているとは到底思えない」(宮原次長)と、不協和音が露呈している。会場からも「韓国や台湾が資源管理を実施するよう規制を守らせてほしい」という声も多く上がった。

国際議論有利に、国内規制で先手

 クロマグロをめぐっては、2010年のワシントン条約締約国会議で、大西洋・地中海のクロマグロの国際取引を全面禁止する提案が出された経緯がある。来年3月にはタイで第16回ワシントン条約締約国会議が控えている。この間も国際自然保護連合(IUCN)の総会など、クロマグロの資源管理に影響を及ぼす国際会議が目白押しだ。

 太平洋クロマグロの7割以上を漁獲する日本。今後の国際会議を有利に進めるためにも、国内規制で先手を打ち、さらなる規制を回避したい思惑がにじむ。宮原次長は強調した。

 「日本が他国に先駆けクロマグロの資源管理に取り組むことで、国際的に理不尽な規制を押し付けられないようにすることが重要だ」。

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