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今週の一本

●女性社長新春はつらつ対談   (週刊水産タイムス:13/01/07号)

食を通じて伝えたい日本の心

社長として、母として、
仕事と家事を見事に両立させる二人
丸千千代田水産梶@石橋利至子社長
「歳時記」で家族の絆を

マルトモ梶@名関美良社長
100周年へ新事業立ち上げ

 食品業界では会社の経営陣に女性の登用を求める声が根強いものの、現実は依然として男性中心の世界。最近は部課長クラスで女性の管理職も見られるようになったが、欧米に比べるとまだまだ比率は低いようだ。そうした中で女性社長として業界で光彩を放っているのが築地の卸売会社、丸千千代田水産の石橋利至子社長と、2人の幼児を抱えながら社長業と子育てに奮闘するマルトモの明関美良社長。2人に「新春はつらつ女性社長対談」をお願いした。

 石橋 あけましておめでとうございます。一昨年の夏に社長になられた明関さんは、2人のお子様の母親でもあり、その奮闘ぶりを聞いてみたいと思っていました。まだ、若いのに、頭が下がります。

 明関 石橋社長こそ、その見事な舵取りは業界でよく知られています。一度ゆっくりお話をうかがいたいと思っていましたので、今回の対談企画に感謝しています。

 石橋 一日のスケジュールはどんな感じですか。毎日、忙しいでしょう?

 明関 それが意外と普通ですよ。朝は5時半に起きて、6時半から朝食。7時半に子供たちを保育園に送ってから出勤し、あとは普通の社長さんと一緒です。ただ、夜の6時半には保育園に迎えに行かなくてはなりませんので、よほどのことがない限りは、定時の5時半で仕事を終えるようにしています。

 石橋 夕食の支度はそれから?

 明関 はい。手早い料理が得意になりましたね。あとは子供たちをお風呂に入れ、9時には寝かしつけ、私も10時すぎには就寝します。

 石橋 私はもう、とっくに子育ては卒業していますけれども、娘の家族と同居していますので小学生の孫が2人。家事はできる限りやるつもりでいるため、実際の生活ぶりは明関さんとあまり変わらないかもしれませんね。(笑)

 明関 「社長と家事」の両立という点ではほとんど同じですね。石橋社長が丸千千代田水産の社長になったのが2001年。中央卸売市場の卸売会社の女性社長ということで、業界の中でもかなり注目されたと思いますが、当時はどのような心境だったのですか。

 石橋 私の場合、社長になったのは青天の霹靂(へきれき)でしたから、昨日までは普通の主婦であり、まさしく無我夢中の日々でしたね。幸い、仕事の面では多くの役職員に支えてもらいながら、何とか今日まで社長を続けてくることができましたけれども。

 明関 当時はどんな会社にしたいと考えていましたか?

 石橋 創業の理念や会社の基本的な事業方針は、既に確固たるものがありましたから、方向性は定まっていました。私はそれを踏まえて、社員がいかに働きやすい環境にするかを心掛けました。福利厚生にはもともと重点を置いてきた会社なので、例えば産休制度のさらなる活用や、社員食堂での「おふくろの味」の提供といった細かな配慮が私の役割と自覚しました。あとは社員一人ひとりが希望を持って働ける会社にすること。もちろん商売は大切ですが、それも皆が元気に働いていればこその話ですので。

 明関 本当にそうですね。

 石橋 これは今もそうですが、朝はいつも真っ先に社員の顔色を見るようにしています。疲れてはいないか、病気になってはいないか。出社して最初にすることは社員の健康チェックですね。

 明関 確かに健康でなければ、突破口を開いていくような、いい仕事はできませんよね。社長として旗を振るのは当然ですが、そうした石橋社長の心配りが千代田水産の強みでもあると思います。

 石橋 明関さんは社長として、どんなことを心掛けていますか?

 明関 マルトモに入って8年。しばらくはマーケティング業務に携わってきましたけど、最終的な経営判断を求められるのが社長。もちろん迷うこともあります。今のマルトモにとって、あるいは将来のマルトモにとっていいか悪いかで決断するようにしています。

 石橋 確かにそうですね。

 明関 それと、実際に社長になって感じたことは無駄な業務が意外と多かったこと。報告書一つとってみても、これまでは当たり前のようにしてきたことが「ここまでの記述が本当に必要なのかしら」と疑問を感じることもしばしば。先入観なしで、自然体で見るから余計にストレートに感じたのかもしれません。

 それを社内で指摘すると「そう言われてみれば確かに…」ということになり、廃止した個所もあります。

 石橋 長年続けてきたことだから、何気なくしていることでも、実際にはしなくて済むことがまだまだあるのかもしれません。

 明関 そのエネルギーを、他の有意義な部分に回せば新たな価値を生むわけですから、もったいないですよね。小さなことかもしれませんが、積もり積もれば大きな違いとなって表れるのではないかと思います。

 石橋 今は不景気で「良い時代ではない」と思われていますが、食品業界はちょっと違うと思うのです。どんな人でも1日に3度は食べるわけですから。毎日の「食」のために、お客様が欲するものをいかに提供できるかどうかで会社の存在は変わってくる。この点は食品メーカーであるマルトモさんも同じでしょう。末端のニーズをどう捉えていけるかですよね。

 明関 最近は特に「簡便」がキーワードになっていると思います。

 石橋 水産庁でも昨年から「ファストフィッシュ」を提唱し、簡便なシーフード商品を「ファストフィッシュ」として認定し、魚食普及につなげようとしますね。魚が健康食として着目されるようになってから、もうかなり経ちますけど、それだけではヒット商品にならない。簡便性とか、新しい商品コンセプトの提案など、様々な要素が求められているのでしょうね。

 明関 特に末端のニーズはいつも同じではありません。常に変化している生き物のようです。

 石橋 ですから的確に捉えることも大変なのですが、運よくそれができたとしても、次のステップとして、商品開発につながらなければ何にもなりません。末端のニーズは常に変化しており、そのスピードは非常に早いですから、実際に商品化できた時には、ニーズがほかに移っていたということもあるでしょう。

 ◆丸千千代田水産株式会社◆
 1948年(昭和23年)創業。築地市場の卸売会社として塩干加工品を中心に確固たる地位を築く。石橋社長は夫である先々代(故石橋敏弘氏)の急逝により2001年、専業主婦から社長に。女性の視点、主婦の目線で商品開発や企画、営業、社内融和に努め、次々と成果を上げてきた。栃木県生まれ。成城大学短期大学部英文科卒。

 ◆マルトモ株式会社◆
 愛媛県伊予市に本社・工場を持つ大手かつお節メーカー。主力商品はかつお削り節をはじめ、かつおパック、だしパック、めんつゆ、だしの素、チルド食品など。明関社長は明関和雄会長の孫に当たり、昨年8月、31歳の若さで社長に。2人の子供(3歳と1歳)を持ち、育児に奮闘しながら会社の舵取りも。昭和55年3月、東京生まれ。一橋大学経済学部卒。

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