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今週の一本

●冷凍食品、20年間の成長の軌跡  越川宏昭 (週刊冷食タイムス:13/04/23号)

家庭用・調理食品がけん引

国内生産高に迫る輸入品

 我が国の冷凍食品生産量は過去に様々な試練を経ながらも着実に成長している。平成3年から23年までの20年間の冷凍食品生産高の推移をみると、数量で17%増、金額で27%増という成長である。日本冷凍食品協会の冷凍食品生産高統計を分析して浮かび上がってくる成長のポイントを上げると、@業務用が先導し、近年は家庭用の伸びが全体を引っ張っているA加工度の高い調理食品の構成比が年々高まっているB冷食協の認定工場数が大きく減少している。工場の整理集約や海外シフトに加え、ソフト面も重視した認定制度の改定(21年度)により審査のハードルが高くなったことが影響している。

 業務用と家庭用の比率については、近年、家庭用の伸長がめざましく、23年には業務用58.4対家庭用41.6となった。平成3年は76.4対23.6と圧倒的に業務用が主流だった。大づかみに言って「7対3」というバランスが業界の共通認識だったが、近年は6対4に近づいている。

 家庭用冷凍食品の普及ぶりは依然として勢いがあり、「5対5」というイーブンの時代も現実味を帯びてきそうだ。

 分類別にみると、全体に占める調理食品の構成比率が年々高まっている。過去20年の推移をみると、平成3年は調理食品の構成比が78%だったのに対して、23年は84.5%へと上昇、素材的な品種から加工度の高い品種へと消費傾向が変化していることがうかがえる。

 調理食品の中で目をひくのは、米飯類や麺類の伸長ぶり。いずれも「平成の寵児」といえる商品だが、全体に占める構成比を比べると、平成3年に米飯類が7.3%だったのが23年に9.9%に、麺類は5.6%が19.0%へと位置づけを高めている。ギョーザも1.3%から2.9%へと大きく伸長している。

 20年間で大きく成長したこれらの品種は主力メーカー同士が互いに新商品を開発し、品質改良でしのぎを削ることで市場を活性化してきた成果だといえないだろうか。

 製法でおいしさを引き立てた炒飯などの米飯類、新技術を織り込んだギョーザ、そしてパスタ類もまったく新しい切り口の商品が続々と登場することで量販店の冷凍食品売場を盛り上げている。これからも技術的な裏付けをもった調理食品の新商品、新カテゴリーの開発が冷凍食品産業を発展させるうえで欠かせない要素だといえよう。

 国内の認定工場数は平成13年に951だったのが10年後の23年には572へと、およそ4割もの大幅減となっている。明らかに生産工場の整理集約が進んでいるといえる。長期的には工場の海外シフトが影響しているのは否めない。

 この20年間に冷凍食品メーカーの海外進出が活発に行われた。海外生産による低コストの商品が続々と輸入されると競争力のない国内工場は淘汰される。生産性が高く、コスト競争力を備えた工場だけが生き残るという図式である。

 これらを裏付ける情報として、冷食協の会員企業による調理食品の輸入量統計がある。これによると、調査を開始した平成12年の12.7万tが23年には24.6万tに増えている。21年間で輸入量が2倍に増えたことになる。国別では中国(構成比59.0%)とタイ(同31.4%)が多く、輸入全体の9割を占める。

 平成23年の国民1人当たりの冷凍食品消費量は20.1kg。平成3年は12kgだから20年間で7割近く1人当たりの消費量が増えたことになる。

 ちなみに国民1人当たりの消費量は、国内生産量+輸入した調理冷凍食品+冷凍野菜輸入量の合計数字を総人口で割ったもの。冷凍食品の国内生産の増大もあるが、調理食品や冷凍野菜の輸入量が大きく増えたことが影響している。冷凍食品の全消費量を100としたときの構成比は国内生産量55、輸入冷凍野菜35、輸入調理食品10。

 冷凍食品の半分強が国内生産で、残り半分弱が輸入した冷凍野菜と調理食品ということになる。輸入調理冷凍食品の9割を占めるのは中国とタイ、冷凍野菜は国別で中国が1位、タイが3位と上位を占める。冷凍食品生産に占める中国、タイの位置づけはきわめて大きいといわざるを得ない。

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