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今週の一本

●国内生産 再び脚光  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:13/07/16号)

工程省けば競争できる

円安、海外コスト高に対応

 急激な円安、原料高と海外人件費高騰などに伴い、冷凍食品の海外生産の位置づけが大きく変わったのを機に、生産体制を見直す動きが進んでいる。中国やタイで生産するウエートの高い多くの冷凍食品メーカーは「第3の新興国に移すか、国内にシフトせざるを得ない」と早急な検討を迫られている。中には、必要条件以外の生産工程を省けば「海外品ともコストは競争できる」と国内工場の再重点化を図るメーカーもある。あまりに急激な変化に、冷凍食品業界は再び翻弄されている。

 中国、タイに代わる第3の生産地としてベトナムやミャンマーなどが注目されるが「原料調達、品質保証管理、生産、保管から輸出までの貿易インフラが整うまでには時間を要する」という見方が多い。市場対応を急ぐため「緊急避難策として国内工場の見直し」がクローズアップされる。

 国内生産でも労働力の確保や、人件費高、物流、生産効率など様々な課題が解決するわけではないが「機械化、自動化を一層進めれば、少なくとも海外に匹敵するコストでできる」と多くのメーカーが見る。

 工程の見直しや内製化でコスト対応する取り組みもある。味の素冷凍食品では海外でていねいに炭火焼きすることを差別化ポイントの1つとしてきたが「細かく見直すと、必ずしも必要でない作業も見えてきた」(鈴木雅史常務執行役員業務用事業部長)。炭火焼を省けばコストは下がる。「ユーザー自身が厨房で焼き上げれば、低コストの要望に応えられる」という。

 外部化していた原材料の前処理を内製化することで「トータルコストダウンを図る」(吉峯英虎社長)取り組みも始めている。

 日本水産は廃棄削減と資材の集中購買でコストダウンを図る。「不良品の廃棄削減を徹底させ」(金田進専務食品事業執行)、効率稼働でトータルコストを下げる。原料・資材は削減目標を定めて集中購買する。金田専務は「まず入り口でコストを下げ、効率生産を高め、ロスを減らして出口のコストをトータルで下げる」と基本姿勢を語っている。

 事業環境の急激な変化でこれまで当たり前と思われてきた生産のあり方まで変えそうだ。一方で原料調達、人手確保などのために海外生産の手法が今後消えるわけではない。いまから新興国に手を伸ばし、準備することも大切。冷凍食品の生産地が国内と海外で行われることは、国が変わっても手段が変わることはない。

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