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今週の一本

●近畿大学・豊田通商、マグロ養殖で共同事業  井出万寿男 (週刊水産タイムス:14/07/21号)

人工種苗量産化へ、世界初の試み

クロマグロ養殖の発展目指す。
(左から)宮下所長、清水理事長、
世耕名誉会長、加留部社長、三浦本部長
 豊田通商(名古屋市)と近畿大学(大阪府東大阪市)は、クロマグロ養殖をはじめとする水産養殖事業の推進に共同で取り組んでいく覚書を締結した。マグロの完全養殖を達成した近大の水産養殖技術を生かし、豊田通商100%出資の新会社「株式会社ツナドリーム五島種苗センター」(資本金5億円)を5月12日、長崎県五島市に設立。クロマグロ人工種苗を量産化し、海外進出も視野に入れる。産学連携によるクロマグロ人工種苗量産化への挑戦は世界初の試みとして注目される。

 16日、都内のホテルで開かれた記者発表会には近畿大学校友会名誉会長の世耕弘成氏(内閣官房副長官、参院議員)、豊田通商の加留部淳社長、三浦芳樹食料本部長、近大の清水由洋理事長、近大水産研究所の宮下盛所長らが出席。グルメレポーターでタレントの阿藤快さんも登場し、銀座久兵衛の寿司職人による天然マグロと近大マグロの握り寿司を食べ比べる試食会が行われた。

 世耕氏は「大阪の梅田、東京・銀座に開店した近大の養殖魚レストランは、予約が取れない店、行列ができる店として大人気。まさにこの店は養殖魚の概念を変えた。世の役に立ってこその教育であり、研究というのが近大の理念。マグロ養殖は目に見える成果であり、その研究成果をできるだけ多くの人の口に入れていただくため、これまでも事業面で深いかかわりを持つ豊田通商さんとパートナーを組むことになった。近大の水産養殖技術と豊田通商のビジネスノウハウを生かしながら、社会に貢献することを期待している」と挨拶した。

新会社設立、海外進出も視野

 一方、加留部社長は「近大の理念と研究現場の真摯な姿勢に共感した。養殖マグロの研究が進むことは天然マグロの資源保護にもつながる。5年、10年の事業だが、必ず成功させる」と意欲を見せた。近大の清水理事長も「日本の養殖業界が世界に誇れる事業となるよう努力する」と述べた。

 豊田通商と近大は、2010年にクロマグロの完全養殖事業における技術協力協定を結んでおり、クロマグロの中間育成事業を進めてきた。天然資源の保護やクロマグロ漁獲規制が進む中、新たに設置された種苗センターにより人工種苗の安定的な提供を目指す。

 今回の覚書では、海外における天然資源保護、人工種苗へのニーズの高まりやマグロ以外の魚種に対する需要に貢献するよう、他の魚種や海外での完全養殖についても近大の技術を生かした事業を検討していくとしている。

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