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今週の一本

●アジア最後のフロンティア、ミャンマーの水産に注目  井出万寿男 (週刊水産タイムス:15/08/03号)

ニチレイフレッシュが投資セミナーで取り組み紹介

 ニチレイフレッシュ(東京・築地、金子義史社長)の中山忍執行役員広域営業部長兼海外事業部長は7月29日に東京・渋谷区神宮前の国連大学(ウ・タント国際会議場)で開催された「ミャンマー投資セミナー」(主催=国際機関日本アセアンセンター・駐日ミャンマー連邦大使館)で講演し、「アジア最後のフロンティア」として注目を集めるミャンマーでの水産事業を紹介した。中山氏は同社のミャンマーえび事業の変遷やミャンマーの水産資源、委託加工ビジネスの現状を説明し、今後の課題として@早急なインフラ(電力)整備A柔軟な法整備――の必要性を挙げた。

 ニチレイフレッシュは1990年代半ばからミャンマーでのエビ事業を開始。天然エビ資源の豊富さで知られるミャンマーだが、当時はどこで漁獲されたエビでも、一度は300q以上離れたヤンゴンにある原料工場に集められ、各工場に搬入されていたため、「漁獲から加工されるまでに時間がかかり、鮮度維持に必要な氷の入手も難しかった」(中山氏)という。

 そうしたインフラ面でのハンディキャップを補うため、ニチレイフレッシュでは「産地起点」の発想をもとに、漁獲エリアに近いタンドウェに拠点をシフト。ヤンゴン加工から産地加工に変え、厳しい日本の品質ニーズに対応できる商品を調達・供給することに成功した。

 中山氏は、鮮度劣化で白濁したヤンゴン加工のむきエビと、鮮度が良く透明なタンドウェ加工のむきえび「煌鮮(きらめき)」との違いを画像で紹介。鮮度保持の最大のポイントとして同社の「産地起点・素材起点」を挙げ、「産地起点の発想で日本の厳しい品質要求に対応できた。高品質の商品を適正価格で調達でき、現地の生産者は収入がアップ。産地経済に貢献できている」と強調した。

 ニチレイフレッシュは当初、加工キャパ・立地・設備・財務状況(信用度)の観点で現地調査を進め、ヤンゴンにある工場をパートナーに選定。申請から1年後の2013年に「エビの委託加工貿易」の権利を取得。海外産・日本産のエビ原料を送りこみ、委託加工貿易を開始した。

 原料は漁村および工場所有のトロール船から集荷場を経由せずに直接工場に搬入される。「煌鮮」ブランドの原料は、前浜のワン・デイ・キャッチ、または工場所有のトロール船で帰港直前に漁獲され、有頭状態で直接工場に搬入されたものだけを使用。加工工程で旨みを逃さないように過度な洗浄を行わず「剥きたて」の状態で急速凍結している。原料の選定と加工方法にこだわることで、天然エビでは商品化が難しかった高鮮度のむきエビの安定的な調達と供給を実現した。

 中山氏は「使用する原料を厳選し、高鮮度のまま届けることで、天然エビ本来の濃厚な味と、加熱しても固くならないしっとりとした食感を保っている」とPRした。

 また、セミナーの中で中山氏はミャンマーの「優秀で豊富なミャンマーのマンパワー」にも着目。ニチレイフレッシュの事業を可能にしている「委託加工」の現状にも言及した。

 「加工形態やキャパが限定される船上で漁獲される天然の素材が多いのに対し、切り身加工から生食用の寿司ネタまで、末端のニーズは年を追うごとに分散化しており、委託加工なしでは成り立たない状況。現状は中国、ベトナムが中心となっているが、昨今の急激な経済発展に伴い、人件費、加工賃が高騰。新たな加工拠点の整備が急務な状況の中でミャンマーは可能性が未知数。魅力的市場であり重要なパートナーとなり得る」と、ポテンシャルの高さを強調した。

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