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今週の一本

●TPP妥結、冷食にも構造見直し迫る  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:15/10/13号)

利あれば損も相半ば

メーカー、次期中計に影響必至

 注目されたTPP(環太平洋経済連携協定)交渉が大筋合意した。食品でも関税の引き下げ、あるいは撤廃などの方向が示されたため、「輸入価格が下がる、安くなる」と歓迎する消費側の受け止め方が少なくないが、一方で、冷凍食品メーカーからは「参加12カ国それぞれ、輸入品目個々の条件を細かく分析しないと、本当にメリットになるかどうかはわからない」とし「明日明後日、すぐに変わる話ではない」と冷静な対応が聞かれる。しかし輸入依存度の高い冷食業界にとって、影響が大きいことは間違いない。

まず精査分析、具体策はこれから

 大手冷食メーカーの役員はTPP妥結に伴う事業への影響を調査、分析するようスタッフに早速指示した。「まだ細かく開示されない部分が多く、慎重な対応が必要だ」と前置きしながらも「原料、製品を含めて輸入依存度が加工食品の中でも高い冷凍食品への影響は小さくない」と捉える。

 「単純に仕入れ価格が下がるという話ではない」とこのメーカー役員は釘を刺し、冷静な受け止め方が必要だと強調する。TPP参加国それぞれ、輸入品目の個々に関税取り扱い条件が異なり「それらが複雑にからむ話なので、輸出国の思惑によっては、一方で安くなり、一部は高くなることもあるのでは」と懸念する。

 そこで同社は合意内容を精査し「次期中計に反映させる」考え。

 同じ輸入品目でもTPP参加国と非参加国では対応が異なることを別の大手冷食メーカーの事業最高責任者は指摘する。「輸入している主要品目の中でも参加・非参加国から入る価格は大きく変わる。それを流通、消費者・業務用ユーザーは理解してくれるのか」と懸念を示す。

 さらに東南アジアの工場で生産した製品を現地マーケットに売る場合「やりやすくなるのか、難しくなるのか、現段階ではまだ読めない」という。

 大手食品メーカーの冷凍食品子会社トップは「輸入原料の扱いがないわけではないが、当社にとって、ドラスチックな変化はなさそう」と冷静な判断。ただTPP参加国である米国の牛肉と非参加国のデンマークの豚肉の価格差が広がるような動きになれば「畜肉だけの問題ではなく、消費の流れ全体にも様々影響する可能性は否定できない」とも語る。

 メーカーが変化を模索し始めたのに対し、問屋から明確な動きは見られない。「どうなるのか、先行きが見えない」と困惑している模様。ある業務用卸組織ではTPP妥結を織り込み、早くから海外との連携を強化しているのが珍しい例。

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