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今週の一本

●期末見通し、大幅利益改善進む  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:17/03/28号)

原料安が底支え、主要製品も好調、海外は大苦戦

 有力メーカーの今3月期末の冷凍食品事業で、営業利益は総じて大幅改善しそうだ。円高基調の為替相場で輸入原材料の調達コストが下がり、これに各社の主力商品カテゴリーが好調に販売実績を伸ばしているため。しかし円高は海外販売にマイナスとなって各社軒並み苦戦。新年度は人件費等の影響が避けられない。

 好調さが目立つのはニチレイフーズ。3Q(第3四半期、4〜12月累計)の9カ月間で売上げは既に1500億円の大台を超え、営業利益は前期より66億円増の131億円と過去最高ペースで推移している。炒飯、焼おにぎり、業務用では中食向けチキンが好調。増収効果に生産効率改善、原料調達費用減が加わり、利益倍増と過去にない好調さ。

 通期では市販用10%増、業務用5%増で2000億円突破を見込み、利益は上方修正して140億円とした。

 味の素冷凍食品は「味の素のセグメント別国内実績」で3Qの冷食6%増、利益は米国ウィンザー社取得費用や原料高等に伴い15年度減益を強いられたのに対し、今期は通常ベースの利益水準に戻り、通期でも大幅増益となりそう。

 業務用は前年並の推移、市販用は餃子、若鶏から揚げが2ケタ増。これにザ・チャーハン、ザ・シュウマイ等の大型商品があり、盤石の体制。

 国内のほか海外販売が3Qで721億円、利益26億円があるが為替換算減で減収減益。ただ現地通貨ベースでは大幅に伸びている。

 マルハニチロは市販用冷食に業務用(加工)を合算した集計。麺、米飯好調と凍菜、アクリ品の販売増加で3Qの市販用冷食の利益は16億円改善し18億円。業務用もコンビニ、介護食向け堅調で、不採算改廃コスト減もあり3Q利益は3億円改善し8億円確保した。

 日本水産は冷食を含む食品全体の実績、見込みであり、海外販売を含んでいる。国内は市販用、業務用冷食ともに好調だが、北米の1Qの市販用冷食不振が3Qにも響き、微減収で増益幅も他社ほどはない。欧州は円高で減益だが、国内は輸入コスト減で増益要因に。

 極洋は国内外の生産部門の収支改善で大幅増益。

 大冷は主力の骨なし事業が競争激化で3Q売上げ6%減95億5000万円と減収だが、仕入れ原価減、保管料経費減等により利益を改善。通期でも増益を見込む。

 テーブルマークは12月本決算。利益改善と生産力増強のための設備投資を前期から強化している。

人件費やエネルギー費、新年度直面するコスト高

 今3月期末の冷食事業は原料・製品の輸入調達コスト減が大きく寄与し、大幅増益となりそうだが、4月以降の新年度は「17年度と同じようにはいかないだろう」と慎重な捉え方が多い。

 農水畜産原料の大半がさらに上がる気配を見せており、燃油、エネルギーコストの上昇も懸念材料。

 中でも業界関係者が共通して指摘するのが「人手不足に伴う影響」。冷凍食品の生産現場で給与・待遇の見直しが全国各地で行われており、これがコスト高を招くのは必至。加えて、物流・倉庫業界の人手不足は相当深刻化しており、これが料金改訂、値上げにつながる可能性は大きい。モノはできても物流業者の協力がなければ流通できない。

 脱フロン化対策もコスト高に直結する。2020年に向けて各社計画的に投資し更新を進めているが、更新作業はこれからが本番。

 他の加工食品に比べて高コスト体質だった冷凍食品産業は海外生産、原料輸入や生産設備の高機能化などでコスト競争力を高め、需要を広げてきたが、再び低コスト化を迫られている。

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