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今週の一本

●日本水産、国内エビ養殖確立へ  井出万寿男 (週刊水産タイムス:17/07/10号)

バナメイ「白姫えび」、温暖な南九州で試験養殖

恵まれた自然環境でエビ養殖
(前方は開聞岳)
出荷水槽内を元気に泳ぐ
 日本水産は国内エビ養殖事業の確立に向けた試験養殖を鹿児島県南九州市頴娃(えい)町にある黒瀬水産(日水グループ)の頴娃種苗センターで進めている。品種はバナメイ。1gの稚エビが約90日後には出荷サイズの20gに成長する。既に試験的な水揚げが始まっており、ブランド名も「白姫えび」に決定。「甘みが強く、歯ごたえもある」と評判も上々だ。

 エビ養殖は東南アジナやメキシコなどでバナメイやブラックタイガーが盛んに行われているが、日本国内ではクルマエビだけ。ニッスイは1938年にクルマエビの完全養殖に成功した歴史を持つ。

 エビの消費が世界的に伸びる一方、養殖における感染症被害リスクもあり、ニッスイでは、環境負荷や感染症リスクの少ない安心安全な陸上養殖を模索してきた。国内でのエビ養殖は「自給につながるだけでなく、生鮮で差別化できるのも大きなメリット」(山下伸也執行役員中央研究所長)になる。

 昨年4月、頴娃にエビ養殖施設の建設工事を開始。頴娃種苗センター内に中央研究所の「頴娃養殖研究施設」を設置した。12月にはニッスイ大分海洋研究センターで育成した種苗を初導入し、今年2月に初水揚げとなった。このため2016年度は3tにとどまったが、17年度は80t、18年度は200tの水揚げを計画している。

 陸上養殖システムには、飼育水を海から汲み上げ排水をそのまま海に流す「かけ流し式」(ヒラメ養殖など)や、汚れた飼育水を浄化して再利用する「循環式」(ティラピア、ターボットなど)があるが、ニッスイが採用したのは「閉鎖式バイオフロック養殖システム」。飼育水槽内を浮遊させる微生物集合体(フロック)で浄化する方式で、かけ流し式養殖に比べて、環境負荷が小さく、無換水養殖でありながら水質浄化・防疫体制がしっかりできる。

 ブランド名の「白姫えび」は「お姫様のように大切に育てた」との思いを込めた。現在は冷凍出荷しているが、事業が本格的にスタートすれば「国産・高鮮度、鹿児島県産の生鮮品」として新規カテゴリーを創造していく。

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