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今週の一本

●31年度水産予算、概算要求額69%増3003億円  栗原浩太 (週刊水産タイムス:18/09/03号)

資源管理と成長産業化に重点

 水産庁が8月31日に公表した平成31年度水産予算の概算要求総額は3003億円となった。水産改革を推進するための各種事業を組み込んだ結果、30年度当初予算額の69%増となった。資源管理と水産業の成長産業化に関する項目に重点を置き、「水産資源調査・評価推進事業」に74億円(30年度当初予算31億円)、「漁業経営安定対策」に527億円(同217億円)、「漁業構造改革総合対策事業」に102億円(同49億円)を計上している。

 新規項目としてはTAC対象魚種拡大やIQ導入など資源管理措置実行時に影響を受ける業者を支援するための予算を組み込んだ「新資源管理導入円滑化等推進事業」に62億円、浜の構造改革に必要な漁船・機器のリース方式による導入を支援する「水産業成長産業化沿岸地域創出事業」に185億円を要求する。

 「水産資源調査・評価推進事業」は調査船調査などの資源調査を抜本的に拡充し、情報収集体制を強化。国際水準の資源評価を実施するとともに資源評価対象魚種の拡大を推進する。35年度までに4倍の約200種への拡大が目標。

 「漁業構造改革総合対策事業」は高性能漁船導入や大規模沖合養殖システム導入による収益性向上を支援する。居住性・安全性・作業性の高い漁船の計画的・効率的な導入もサポートする。

 「新資源管理導入円滑化等推進事業」は資源管理措置の実行に伴う減船・休漁措置を円滑に実施するためのもの。漁業者だけでなく影響をうける加工業者に対しても原料転換に伴う機器整備など掛かり増し経費を支援する。また、昨年のクロマグロ混獲のようなケースにも対応する。数量規制対象魚種の混獲の恐れがある場合、他魚種に関しても休漁を強いられることになるが、そのような漁業者も支援対象とする。

 近年、国際会議でも議題に上がることが多いIUU漁業対策については「外国漁船対策等」項目として336億円を要求した。30年度比で2倍以上の増額となる。漁業取締船として2隻の新船建造を行い、31年度末に8隻、33年度末に9隻に増隻する予定だ。また取締能力の高い漁業取締船を用船することで漁業取締体制を強化。漁場の機能回復や漁業者の経営安定・被害救済を図る。

IoTなどの先端技術を積極的導入

 IoTをはじめとした先端技術も積極的に導入していく方針だ。

 「スマート水産業推進事業」は効率的に操業・水揚げデータを収集・活用することで資源評価の高度化を図る体制を整備する。例えば、太平洋全域の様々な資源・環境データに環境DNA解析といった新たな技術を取り入れ、資源変動要因や環境変化の解析を行うとともに、解析データを蓄積し、資源評価に活用するデータベースを構築する。その他にも分野別に様々なデータベースを構築予定。各データベースを有効活用するための連携基盤も整備し、漁業者に対する新たなサービスの創出・提供に繋げていく。

 「有害生物漁業被害防止総合対策事業」では高解像度人工衛星やドローンを活用し、トド・大型クラゲなどの被害を抑制していく。

漁港関係は22%増854億円

 平成31年度水産基盤整備関係予算の概算要求額は、対前年比122%の854億円で、漁港漁場整備長期計画の着実な推進と、水産改革に即した水産業の成長産業化を目指す。

 具体的には@水産業の競争力強化と輸出促進に向けた生産・流通機能強化対策A漁場環境の変化に順応した広域的な水産資源の回復対策B大規模自然災害に備えた漁業地域の強靭化対策C漁村の活性化に向けた漁港ストックの最大限の活用――を重点的に推進する。

 特に、拠点漁港における水産物の集出荷機能の集約・強化に向け新たに総合対策を創設する。また、養殖業発展のための環境整備対策を拡充し、養殖場等の生産拠点の大規模化や、沖合や陸域での養殖適地の拡大に取り組む。

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