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今週の一本

●激変する世界情勢の中、水産企業のトップめざす  井出万寿男 (週刊水産タイムス:19/04/22号)

マルハニチロ関東魚栄会

 マルハニチロ(東京・豊洲、伊藤滋社長)は平成31年度マルハニチロ関東魚栄会(会長=芦澤豊横浜丸魚社長)を東京・竹芝のホテルインターコンチネンタル東京ベイで開き、卸売会社を主軸とした会員会社に同社の事業方針を説明した。伊藤社長は「魚に対する世界の目は大きく変わっている。水産物卸売事業が今後も生き残っていくためには、コスト削減はもとより、魚の価値を上げていくことが不可欠。自助努力にとどまらない業界全体の改革が求められる」と強調した。

今年の方針を語る
伊藤社長
 マルハニチログループは長期経営ビジョンの中で「世界bPの水産会社、冷凍食品・介護食品の国内bP企業、水産物由来機能性材料のリーディングメーカー」を目指している。中期経営計画「Innovation to ward 2021」(2018年度〜21年度)では「売上高1兆円、営業利益310億円」を掲げ、昨年は「新コーポレートブランド戦略」を策定し、社名ロゴデザインを刷新した。伊藤社長は前3月期の業績について「過去最高の当期純利益を達成する見込み」と明かした。

 一方、10月からの消費増税について伊藤社長は「食品は軽減税率が適用されるものの、消費に何らかの影響が出るのは避けられない。新しい年号の幕開けでもあり、厳しい状況からの脱却を図る年にしたいと念願している」と述べた。

 また伊藤社長は昨年、世界を代表する水産会社と科学者による対話会合を経て結成された「Sea BOS」で初代会長に就任したことにも触れ、「責任の重さを実感している。持続可能な漁業を含めた適切な海洋管理と地球環境の保全に水産企業として積極的に貢献していきたい。社会でかけがえのない存在をめざす」と強調した。

 引き続き、中島昌之専務、各部の部長が今年の取り組み方針を説明。講演会、懇親会と続いた。

 中島専務は昨年度の水産物取扱量(マルハニチロ単体)を説明。扱い数量は25万tで前年比95%となったが、単価は929円で44円アップし、売上金額は2328億円で横ばいとなった。南方魚(1万1200t、前年比115%)、魚卵(1万t、同111%)、エビ(3万7000t、同102%)が増加した一方、カニ(4600t、同75%)、スリミ(3万6000t、同89%)、北方魚(6万8000t、同90%)が減少した。

 また、今年注目すべき魚種の動向について「チリ銀は引き続き高値、紅鮭は減産予想、マスは豊漁年。スリミは北米以外の原料が減少する中、新興国でも需要が増加しており、価格は底堅いと見る。マグロはメバチ・キハダが漸減する一方、養殖クロマグロは増加しており、地中海も前年以上」との見通しを示した。併せて中国の高級食材市場に陰りが見られることも指摘し、「一部商材(メロ・カラスガレイ)に値下がりの動きが出ている」と伝えた。

 これに先立つ定例総会で関東魚栄会の芦澤会長は「“世界においしいしあわせを”をグループスローガンに掲げるマルハニチロと思いを共有し、魚食を通じて和食の素晴らしさを世界に発信しよう」と呼び掛けた。

 懇親会では水産商事・荷受・海外ユニット長の粟山治常務が「4月から5月にかけての十連休がチャンス。会員の皆様の拡販に向けて、マルハニチロは準備万端。思い切った営業を」と期待し、乾杯の音頭をとった。

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