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今週の一本

●感染症対策本部、休校損失に212億円支援  佐藤巳喜夫 (週刊冷食タイムス:20/03/17号)

給食卸の陳情に一定の成果

(左から)中込武文日給連副会長、
野口昌孝同会長、古川裕志学流協会長、菅官房長官、中島正二全給協副会長
 政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は緊急対応策の第2弾で、給食系業務用卸が要求していた学校給食休止に伴う対応のため212億円の財政措置を講ずる、と10日発表した。
 この財政支援の一部が使われない給食物資分の損失補てん額となり、給食卸が求めている支援額を大きく下回るが、政府に直接働きかけたことにより生まれた財政措置であり、給食卸の行動は一定の評価が得られたものと受け止められる。
 学校給食関係事業者には「給食再開に向けた安全・安心の確保と食品ロス対策のための支援をきめ細かく行う」とし、次の様な具体的な支援策を打ち出した。
 @給食調理業者(納品業者を含む)に対する、(中略)衛生管理の徹底・改善を図るための職員研修や設備等の購入の支援(定額/全額公費負担)
 A食品納入業者・生産者等に対する、学校給食に納入を予定していた野菜・果実等についての、代替販路の確保に向けたマッチング等の支援及び販路が確保できない場合の慈善団体等への寄付のための輸送費等の支援(定額/全額国庫負担)
 ほかに酪農家、乳業メーカーへの支援策も含め、学校給食休止による対応総額212億円を充てる内容。
 給食卸とメーカーの5団体が農水省、文科省担当官に4日事情を説明した際は3月の給食費が約390億円、そのうち給食卸の納品物資は約200億円と伝えた。さらに卸3団体が菅官房長官に9日陳情した際は卸の損失総額を430億円と説明した。
 今回の学校給食関係の財政支援は余剰物資を寄付する際の輸送費や、余剰生乳処理・処分費を含み、給食卸の損失を全てカバーできる規模ではないが、農水、文科両大臣や内閣官房長官に窮状を直訴し、支援策を引き出したことは一定の成果として評価される。

文科、農水省が事業者配慮依頼

 文科省と農水省は全国の市町村学校給食関係当局に「臨時休業に伴う学校給食休止による影響を受けている学校給食関係事業者に対する配慮」についての依頼書を11日連絡した。
 学校設置者に関係事業者に対する「特段のご配慮」を求めるもので、公私立小中学校と夜間過程を置く高校、特別支援学校に周知を依頼。「官公需における配慮」を要請する中小企業庁長官の要請書を添付した。
 同長官の要請は@速やかな支払いA適切な予定価格の見直しB中小企業の相談に適切な対応をするという内容で、給食休止により経営を圧迫されている中小企業を支援するのが趣旨。依頼元は文科省健康教育・食育課と農水省食品流通課。

菅官房長官にも窮状直訴

 学校給食卸関連3団体は学校が一斉休業となったことにより傘下中小卸の3月度の売上げがなくなるための救済を求める「陳情書」を萩生田文科大臣、江藤農水大臣に6日提出した。
 9日には首相官邸で菅義偉内閣官房長官に面談して「陳情書」を提出した。菅長官は「政府として一生懸命対応する」と応えた。
 陳情したのは学流協(学校給食物資開発流通研究協会、古川裕志会長)、全給協(全国給食事業協同組合連合会、秋元直人会長)、日給連(日本給食品連合会、野口昌孝会長)。
 菅長官との面談では3団体が学校給食費の平均額などを基に、給食卸事業者の損失総額は430億円にのぼることなどを説明した。
 陳情した内容は@売上げ減少分の補てん方策A固定経費の補てん方策B学校給食の設置者である市町村への発信の3点。加えて、納入業者はマスクが不足し困窮している実態を訴えた。
 3団体では「政府、行政とともに、スピーディに今回の事態に対し行動していく」と今後の対処方針を表明している。

家庭用冷食に需要殺到
業務用は外食も不振

 政府が学校一斉休校と在宅勤務推進、イベント自粛を呼びかけたのをきっかけに、家庭用冷凍食品の売上げが一時的に急増した。
 在宅時間が長引くことに備え、保存がきく冷凍食品が注目されたため。味の素冷食をはじめ多くのメーカーで「家庭用は大幅な売上げ増」となった。特に米飯、麺類、グラタン、お好み焼きなど「主食になりうる商材の人気が高い」(各社)。
 ただし家庭の冷凍庫の保管能力には限界があるため動きは「一時的」という見方が多い。
 一方、業務用は学校給食向けに限らず「外食全般に自粛の影響が大きく表れている」ため、大幅な減収と減益が見込まれる。

「一斉休校は疑問」と業務用卸

 政府が学校の休校を要請したことで給食物資の取り扱いに大きな混乱が各地で起きているが、本紙が全国の業務用卸に緊急調査したところ「一斉休校は本当に必要だったのか」という疑問が多くから聞かれ「資金繰り対処を国の責任で行って欲しい」という切実な声が出ている。中には「学校が休みでも保育所等は営業しており、物流ルート数は変わらない。3月の減収で4月の資金繰りが心配」という意見もある。(関連5面)

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