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今週の一本

●クロマグロの卵のふ化予測に成功  松田陽平 (週刊水産タイムス:21/01/18号)

水研機構らチーム、深層学習で質の高い卵を選別

 横浜市立大学大学院、慶應義塾大学、水産研究・教育機構、理化学研究所からなる共同研究チームは、深層学習(ディープラーニング)を用いて太平洋クロマグロの産卵直後の卵がふ化するか否かを高精度に予測する技術をこのほど開発した。今後この技術を用いて、質の高い卵のみを選んでふ化・飼育することで、クロマグロ種苗(養殖用稚魚)生産の効率化が期待されている。

下段は、予測に重要な部位を可視化した画像
 マダイやサーモンなど他の養殖魚種に比べて生残率が著しく低いクロマグロの人工種苗生産において、卵が正常にふ化するか、またふ化後に生残できるか等、卵の質(卵質)に関する評価とその予測は、生産効率向上のための重要な課題となっていた。
 研究グループは産卵直後のクロマグロ卵(計290個)を収集、顕微鏡による撮影を行い、それらのふ化実験を行った。撮影では焦点(細胞質・卵の輪郭・油球)を変えて3種類の画像を取得。ふ化データとして、卵が正常にふ化したか否か、無給餌生残日数が4日以下あるいは5日以上かを収集した。
 深層学習を活用した卵質予測・解析システムを用いて、撮影した画像を正常にふ化するか否か、無給餌生残日数が5日以上であるか否かを予測した。
 予測精度を評価した結果、正常ふ化予測では正解率が0.856、無給餌生残日数では正解率が0.804という高い精度で予測できることがわかった。特に卵の輪郭あるいは細胞質に焦点を合わせた画像を用いた時に、予測精度が高いことも判明した。この予測精度は、熟練した養殖研究者4人による正常ふ化予測の結果(正解率の平均値が0.72、最大0.8)よりも高く、深層学習に基づく卵質予測の有効性を示した。

注目部位は細胞質や卵の輪郭

 さらに予測に重要な部位を可視化したところ、細胞質や卵の輪郭に注目が集まっており、細胞質の形が多少崩れて見える個所なども重視されていることがわかった。この結果は、熟練した養殖研究者の注目する部位と矛盾せず、卵質予測・解析システムが卵質予測に重要な部位をとらえていることを示した。
 今回の研究成果は無料公開の電子ジャーナル「Scientific Reports」に掲載されている。

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