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業界交差点

この人に聞きたい:第153回
(週刊冷食タイムス:08/08/05号)

時間待たず「中国」に相対

味の素冷凍食品 取締役専務執行役員  近藤直氏

(こんどう・ただし)昭和49年味の素入社。冷食部グループ長から分社で常務マーケティング本部長。18年専務昇格。慶應大商卒、昭和26年5月鎌倉生、57歳。

選択肢広げるためバラエティー投入

 業界史上初めて「ギョーザ」単品で100億円を達成。その勢いで中計達成に取り組んでいたが天洋のとばっちりを受け奈落を見た。業界NO.1のマーケッターと評される近藤氏、何を考えどう対処しようとしているのか。

 ――ギョーザ、どんな具合?

 近藤 月を追うごとに確実に出荷量は増えており、様々な販売データでも既に売上げトップに返り咲いています。エビ焼売も若鶏から揚げもトップ10に回復しています。基調は戻りつつある、しかし前年実績には達していない。これは同業他社も同じでしょう。

 ――当初は「意外に回復は早いか」とも一部で見られていたが。

 近藤 確かに2〜3月は前年の五割程度だったが、4月は八割まで戻し、4〜6月でもほぼ読み通りに回復が進んだ。「いけるか」という期待も一部にあったが、そこからがなかなか戻らない。

 ――「天洋だけなのか?」とも。

 近藤 そう、天洋事件に伴う影響からは明らかに回復してきました。当社の販売状況を見ても、必要とする人は冷凍食品を利用しています。しかし、以前のように幅広い消費者に買っていただく環境からは変わってきた。背景にはいろんな要素があるが、インパクトがあったのはガソリン代。

 ――5月以降高くなった。

 近藤 消費者意識として無駄遣いをしないようになった。それは冷凍食品に限らず、郊外型の外食店も同様。特に冷凍食品は値引き販売が常態化していたため「お買い得」感で買っていただいていたが、それが減った。家庭内食需要で“ご飯がらみ”のふりかけやカレールーは売れるが、食卓向けの買い物は主食と生鮮3品が中心。冷凍食品でもえび寄せフライのような「必要度」が高い弁当商材は売れてます。ただ、中国製は厳しい。パスタがいい、と事件直後に一時いわれたが、売場から商品がなくなったため。ご飯がらみのニーズにパスタでは応え切れない。

 ――では、これからどうする。

 近藤 諸々のマイナス要素が薄らぐまで、時間を待つのか。それは待てないし、我々は待たないと決めた。「中国(の問題)から逃げない」という表現がそれ。中国問題に取り組む姿勢を新聞広告などを通じて打ち出したら、予想通り「何でいまさら中国に?」と異論が寄せられた。確かに二割の顧客は「中国、ノー」かもしれない。しかし八割の意見もある。国産オンリーが市場のニーズでは決してない。味の素冷凍食品は消費者に選択肢を用意した、ということ。

 ――指定農場など原料からの安心品質を店頭でも訴求している。

 近藤 その定量的な成果はわからないが、少なくとも冷凍食品の売場が信頼を失っているいま、バイヤーや店長、売場担当者、流通関係者から「味の素冷食は自ら動いた」という評価を得ています。問題が忘れられるのを待つだけでは、また新たな事件が起きた時、立ち直れなくなる。冷凍食品を再び使い始めてもらえるように、当社は強いカテゴリーでバラエティー品を広げ、選択肢を広げました。

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