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この人に聞きたい:第160回
(週刊水産タイムス:08/09/22号)

資源・経営・地域の「再生産」を

東京海洋大学海洋政策文化学科  婁小波教授

 

原油高時代の日本漁業で海洋大・婁教授

 東京海洋大学の婁小波教授(海洋政策文化学科)は「原油高時代の日本漁業について」と題して17日、東京・虎ノ門の海洋船舶ビルで開催された第53回海洋フォーラムで講演した。
 同教授は、日本漁業が抱える問題点と問題解決のための諸課題、さらに持続的漁業を実現するための視点について語った。
 日本漁業は現在、資源減少・魚価低迷・燃油高騰の「三重苦」。魚価は一時的な上げ下げはあるものの、長期的には低迷傾向にあり、漁獲量が減少しても価格が上がらないケースも見られることから「漁業の場合、需要と供給で価格が決定される通常の市場メカニズムを超えた状態で価格形成が行われている」と指摘。その要因として、(1)輸入量の増加(2)価格形成メカニズムの変調(3)国内市場消費の低迷(魚離れ)――が考えられるとした。
 漁業が生き残るためには、(1)燃油高騰などのコスト上昇分を魚価に転嫁する(2)経営努力によってコストを下げる(3)生産量を増やす――が考えられるが、「供給側が零細多数の生産者で構成され、需要者が多数でプライス・テーカーとして行動している。完全競争市場を前提としている中で、需要者が相場を作り、生産の事情が考慮される余地がない」と、価格転嫁がスムーズに進まない現状を説明。産地価格比率が低下している理由については「消費者ニーズの多様化→経営対応の多様化→流通コストの増加を経て、最も立場の弱い漁業者にしわ寄せされている」と指摘した。
 これを踏まえ同教授はコスト削減を図るために(1)規模の経済性(個別経営の大規模化)(2)ネットワークの経済性(流通過程との連携、コスト競争から品質競争へ)(3)範囲の経済性(多角化経営)――などの方途を示し、「海業」の振興も視点に入れるべきとの見解を示した。
 また、ドラスティックな拡大と減少を見せた沖合漁業、遠洋漁業に比べ、年間200万t前後で安定した漁獲量を続けている沿岸漁業に着目。持続的漁業の維持を実現するポイントして「資源の再生産」「経営の再生産」「地域(漁業)の再生産」という3つの再生産を条件に挙げた。

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