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業界交差点

この人に聞きたい:第198回
(週刊水産タイムス:09/07/06号)

統合効果さらに発現

(株)マルハニチロ食品 社長  坂井 道郎氏

 

(株)マルハニチロ食品 坂井道郎社長に聞く

 マルハニチロの合併に伴う事業会社がスタートして1年。食品業界は天洋食品問題、下期の構造不況に伴う消費不振でどこも苦戦を強いられたが、マルハニチロ食品の初年度はどうだったか。今後の方針を含めて坂井道郎マルハニチロ食品社長に聞いた。

 ――株主総会が無事終わった。
 坂井 以前は水産や海外事業に関する質問が多かったが、食品に関する話が増えた。経営統合で株主総会にも変化が表れてきた。
 
 ――拍手シーンも多かった。
 坂井 質疑応答が長時間に及んだが、どちらかといえば「PB(プライベート・ブランド)商品に負けるな」、「品質の高い商品づくりを」といった激励型が多く、有難かったですね。
 
 ――前3月期は事業会社として初の決算となったが。
 坂井 天洋事件でスタートし、市販用冷凍食品を中心に大きな影響を受けた。上期は資材・原料が高騰、後半はマーケットのデフレで消費不振、量販店からの値下げ要求も強かった。

 ――逆風が吹き荒れた。嵐の中の出陣だった。
 坂井 厳しい中で、よく健闘できたと思う。食品セグメントの営業利益は89億円。内訳は冷食40億円、加工食品20億円、畜産5億円、化成品8億円、アジア・オセアニア16億円。扱いが大きい冷食、加工品で大きなダメージを受けたが、できるだけ在庫のバランスをとるよう心掛け、生産調整に努めた。市販用冷食は重点商品(11品)に集中したことで工場の生産性が大幅にアップし、最終的に営業利益は計画通りで着地できた。

 ――今後の自信になる。
 坂井 今期は営業利益117億円を計画している。中期経営計画「ダブルウェーブ」の中間年に当たるため、最終計画の売上高3000億円・営業利益150億円を達成するために、今期は必達目標となる。

 ――89億円を117億円に引き上げるのも容易ではないが。
 坂井 マルハニチロの統合効果のうち、コスト削減は九割が食品セグメント。初年度は全体で26億円の効果が生じた。今期の人員削減などで7億円近い固定費削減を含め、全体で17億円の統合効果を見込んでいる。

 ――さらにコストダウンできるか。
 坂井 組織の見直し、物流費・販売費の削減、特売品の削減などで限界利益が10億円改善できると見ている。今までのムダは改善によって利益へと変わる“宝の山”でもある。
 
 ――そのほか改善している点、新しい動きは。
 坂井 生産・販売・開発・財務改善について、冷食・加食・畜産・化成・海外のユニットごとに取り組み出した。セグメント全体でユニット経営が緒についてきた。在庫や資金繰り、キャッシュフローをしっかり認識することは、ヒト・モノ・カネの効率化、企業価値の最大化を実現する上で、非常に重要なポイントとなる。

 ――やるからには徹底しないと、中途半端ではだめだ。
 坂井 グループのメリットを生かさなければならない。何でも自分が手掛けるというのではなく、必要ではないものを思い切って省き、役割を明確にしていくことも大切だ。

介護食の開発を強化

 ――グループ内での棲み分けが重要。
 坂井 食品事業にあっては、生産ラインの組み替えや物流に大きなコストがかかる。こうした中で市販用冷食の重点11品がシェアを増しているのは全体の利益率アップに貢献している。業務用は多品種少量がネックで利益を出しにくい。市販用缶詰、加工食品は統合効果が出てきたが、業務用はこれから。今年度の大きなテーマの一つである。

 ――個別の商品ジャンルごとに現状と課題をコメントしてほしい。
 坂井 缶詰やねり製品などの加工食品は昨年の上期に原料高で苦しんだが、後半のデフレでは量販店のPB商品に他社の商品が低価格で参入して乱売状態に陥った。魚肉ソーセージ、ちくわの新商品は売場での提案の仕方を変えていく必要がある。

 ――というと。
 坂井 新たにマジックカットを採用した魚肉ソーセージとちくわはカルシウムを添加し、特定保健用食品として価格面でも自信をもって提案したが、差別化へのPRが足りなかったためか、値ごろ感を優先する消費者に浸透しきれなかった。付加価値をいかにアピールするか、今後の課題になる。首都圏、関西圏でまだまだ売れるはず。

 ――水産缶詰(ツナ缶を除く)は圧倒的なシェアになった。
 坂井 業界全体の55%を占める。サバ・サンマ・イワシといった青魚に強い「マルハ」、サケ・ホタテ・カニで浸透している「あけぼの」の両ブランドが、それぞれ売場で健闘している。さらに強めていく。

 ――フルーツゼリーの動きがいいようだが。
 坂井 100億円商品になった。新商品のカロリーゼロも売場で好評。今後も商品開発に力を入れていく。市販用冷食は弁当商材・米飯・麺類ともカテゴリー強化の徹底を図るとともに、生産性をさらに追求していく。また介護食は、在宅介護に向けたニーズにも応えるためにの開発を強化していく。

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