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この人に聞きたい:第244回
(週刊水産タイムス:10/06/14号)

マリン・エコラベル・ジャパン

東京海洋大学教授  田中栄次氏

 

伝統的資源管理踏まえ認証を
外国とは歴史的な違いある

 日本の漁業は歴史的に見ても江戸時代から環境にやさしい独自の資源管理を行っており、外国のように新規の漁業が突然起こり、アッと言う間に獲り尽してしまうことがない仕組みができている。このため、外国の漁業を持続性があるかどうかを検証するには、基本的な資源の状態など、1から調べなくてはならず、時間もお金も多くかかる。これに対して、日本の漁業を対象としているMELジャパンは日本の歴史的、伝統的な漁業や資源管理を踏まえて認証審査するので、時間とお金がかからない。日本に合った認証制度といえる。
 例えば日本の場合、アワビなどを採取する海女に、長女はなれるが二女はなれないなど制限を加えているほか、禁漁時期を設けている。伝統的に資源を獲り尽すことのないような仕組みを築き制度化している。
 これに対して、外国の場合、例えばカナダのウニ漁業は5〜10年で資源を獲り尽くしてしまい、海底はケルプ(海藻)ばかりが繁茂し、海の中の環境自身も大きく変えてしまっている。
 外国の漁業についての認証は、MSCが先行している。外国の漁業に持続性の認証を行うためには、資源の状況、漁業の歴史、実態、漁場環境など、すべてについて調査を行わなければならないため、時間もお金もかかる。また、MSCの場合は環境保護団体に事前の丁寧なパブリックコメントを求めるため、いわば環境保護団体のガス抜きを行っている。こうした環境団体のフィルタリングがあるのがMSCの特徴でもあるため、調査に時間とお金がかかることになる。
 これに対して日本の漁業を対象としたMELジャパンは、伝統的な資源管理を踏まえ、日本の漁業の特性を理解しながら認証調査を行うため、経費は安く効率的であると言える。
 一方、いまの段階では、産地の生産者認証であるため、末端の流通までの認証に至っておらず、川上から川下に至る認証のフードシステムが整っていない。消費者にエコマークをどのように伝えるかの課題がある。
 一つの例として日本海のベニズワイカニには1個体ごとにタグが添付されているが、三陸のサンマには箱にマークが付いていてもサンマ1尾ごとにはマークがないため、流通途中で認証されていないサンマが混ざってしまう恐れがあり、これをどのように分けるのかの課題が残る。

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