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業界交差点

この人に聞きたい:第249回
(週刊冷食タイムス:10/07/20号)

ネット販売に対応

シュガーレディ本社 代表取締役社長  佐藤 健氏

昭和41年神奈川県生まれ。同社創業者の佐藤啓次郎氏の長男。平成2年慶応大法学部を卒業し博報堂香港入社。9年5月米国コロンビア大大学院修了。同年同社グループに転じ、SL関西入社。SL城南(東京)の営業担当を経て、統括部長として13年SL福岡を立ち上げ。18年本社シュガーレディアカデミーの室長として食育を推進。19年6月から代表取締役副社長、22年6月社長に。米国、中国事情に詳しい業界若手のエース格。44歳。

人の絆の基盤はより強固に

 ――副社長としての準備期間を経て6月1日付で社長に。もう落ち着いた?
 佐藤 社内では4月から実質的に新体制に切り換わっていましたので、大きな混乱はありません。

 ――社長として会社をどう引っ張っていくか。
 佐藤 安全で価値ある食品を家庭まで直接お届けするという仕組みは創業者の父が創り育てたものであり、素晴らしいシステムだと誇りに思っています。しかし創業から40数年を経て、時代に合わなくなったものも多々あります。そこで、いいものは一段と強化するが、変えるべきところは大胆に変える、と社内に説明しました。

 ――「変えるべきところ」とは?
 佐藤 これまでのシュガーレディ方式で業務拡大の基盤となっていたのがホームパーティー(無料試食会)です。しかし、女性の就労率が高まり、趣味などに出かける人も増えたことにより、なかなかパーティーに参加いただくことが難しくなってきました。取り扱っている商品もいままで通りでいいのか。さらに、販売に携わる「シュガーレディ」さんが40数年たって、世代が相当幅広くなってきた。こうした様々な変化に果敢に対応しなければ時代に認められなくなります。
 そこで、試食パーティーのあり方、販促ツール、商品開発を含めて大胆な改革を進めます。

 ――しかし営業エリアに限らず、販売高も、取り扱い商品も、シュガーレディ、マネージャーの数、あるいは社内組織も相当大きくなっており、改革は大変だ。
 佐藤 システムの基本は変えません。また急な改革には抵抗感を持つ人もいるので、初年度の今期は準備期間とし、来期を実質的な初年度と位置づけて、3年計画で達成をめざします。

 ――社内にそれを説明中?
 佐藤 実は販売に携わる「シュガーレディ」さんのチームをまとめる「マネージャーさん」の年1回の旅行が3〜7月の土日に行なわれています。この場に全て出席して、私の考えを伝えるとともに、お酒を酌み交わしながら皆さんの意見も聞いています。そこでしか語れないこと、聞けない話もあります。この間の土日は無休、同じ宿泊先に何度も行くということもありますが、私はこの場を大事にしています。

 ――改革、ポイントは?
 佐藤 キーワードは3点。「シュガーレディ」さんの(1)仕事がやりやすくなるように(2)収入が増えるように(3)楽しく働けるように。改革はこの3点が全てあてはまることが条件。これに沿って本社組織、業務内容も変えます。「シュガーレディ」さんの販売ノルマはありませんが、やる気のある人には収入を増やしたい。また当社の仕事はみんなでワイワイ言いながら楽しんでやってきた。この原点に戻り、楽しい仕事にしたい。「こんなのいいよねぇ」という感動を与えられる仕事であることを忘れないようにしたいですね。

 ――創業者の啓次郎氏はシュガーレディさんにも社員にも愛されたスターだった。佐藤社長がめざすのは。
 佐藤 大学院(米国コロンビア大)で、経営者には2つのタイプがあると学びました。(1)雄鶏(おんどり)型、つまりカリスマタイプ。自ら声を放って統率するが、本人が身を退くと、統率力がなくなり、組織は弱体化する。(2)時計職人型は自ら時を告げることはしない目立たない存在だが、作った時計は永遠に時を刻み続ける。

 ――啓次郎氏は明らかにカリスマ型だった。
 佐藤 創業者の理念や精神が会社の支柱となって今日まで大きくなったことは間違いありません。しかし時代変化の中で、理念と実際の業務の間にズレが出てきた。父の思いがいまのシュガーレディという会社の中で違ったものになりつつある――そういう懸念が出てきました。そこでコアは変えず、業務内容を大胆に変えようということです。

 ――佐藤社長自身はどんな経営者像をめざす?
 佐藤 しっかりした「時計」を作り上げるのが私の役割だと思っています。何年たっても変わらず正確に時を刻み続ける「時計」。そうなればシュガーレディという会社もブレずに存続できる。今後も繁栄し続けるための土台となる「時計」を私は作り上げたい。守るだけでなく、これは「変える」、これは「変えない」という経営判断が時代変化の中で必要だと考えてます。

 ――前期の業績は?
 佐藤 キャンペーン期間中にインフルエンザ騒動が重なり、無料試食会の参加者が極端に減ったことが響き、前期は4%減。いろんな要因はありますが、何よりも試食会に集まりにくくなったことは当社の原動力の弱体化を示しています。ネット通販の利用が急増している現象も無視できません。そこでネット対応強化を進めています。

 ――ネット販売にも多くの問題が指摘されるが。
 佐藤 情報が氾濫しすぎたため、消費者が混乱しているようです。しかし伸びていることは事実。積極的に対応します。一方で、ネット利用が増えているからこそ、シュガーレディらしさを発揮すべきだと私は強く訴えている。ネットのデジタルのつながりには「人と人のフェース・トゥ・フェース」がない。

 ――ネットは無視しないが、人と人の心の交流をより大事にしよう、と?
 佐藤 理想はネットで当社に最初に接触し、シュガーレディの世界を知って、利用客になっていただくこと。だからこそ商品の物販だけでないシュガーレディの世界の魅力を磨き続けたい。利用者には元々料理好きな方が多い。日本の食を考えるため「お箸」を使った食育の情報発信もある。また、幅広い世代を網羅する「シュガーレディ」さん、マネージャーさんの世界も当社ならでは。

 ――「レディさんの世界」?
 佐藤 「シュガーレディ」さんのチームをまとめる「マネージャー」さんが1200名。30代の若手から80代のベテランもいます。つまり、献立づくりだけでなく、味付けから子育て、人生相談まであります。年配は若い人から携帯電話の使い方を教わったり。嫁、姑の関係を超えた近所づきあいがシュガーレディの良さであり、温かみ。デジタル時代ではあるが、体育会系人間の私としては、人と人の関係が切り離せない。

 ――介護食など新しい課題も生まれているが。
 佐藤 必要なことです。「シュガーレディ」さん、「マネージャー」さんの中にも在宅介護をしている人が数多くあります。シュガーレディだからできることを検討しています。社内で議論していて「わが社だからできること、山のようにあるね」とよく出ます。

 ――デフレで多くの企業が減収となっているが、問題は数量。量が伸びている限り需要は心配ない。 
 佐藤 やはり健康価値のある商品は伸びています。ローヤルゼリーも減っていないし、コラーゲンも伸びている。厳しい時代に変化しても売上げを保っていられるのは、当社の冷凍食品に対する信頼があるからだと思います。だからこそ、その価値をより多くの人に広げたい。しかし商品の斬新さが薄らいでいることも事実。そこで開発組織を見直し、商品開発を再度強化しています。
 人と人とがふれあい、励ましあい、学びあいながら互いに成長していく。こうした形を再構築したい。シュガーレディだけしかできないことを手掛けたい。それを増やしたい。

 ――社長交代と同時に「最高顧問」も誕生した。
 佐藤 副会長だった山本紀二氏、佐藤和三郎氏が最高顧問となり、大野悦史社長は会長として新体制を支えてくれます。いずれも当社の歴史を知り、事業を広げた大功労者。「何でも聞け」と言われています。これがファミリーな当社の特徴。大野会長には全国で行なわれるチームミーティングに顔を出してもらう“水戸黄門”役をお願いしています。大野さんは私が子供の頃から面倒を見てもらった“叔父貴”であり、兄貴。尊敬しています。

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