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この人に聞きたい:第264回
(週刊水産タイムス:10/11/01号)

シイラのスリ身化で成果

(株)上久 社長  蛯谷 正純氏

(えびたに・まさずみ)昭和28年生まれ。52年慶応大経済卒後、日本IBMに入社、55年に家業である同社入り。富山市の魚肉ねり製品製造販売会社だが、自社でスリ身原料を生産。日本海で漁獲されるトビウオの冷凍スリ身を、「もみもみ・すり身」として製造販売。麻布高校では故・中川昭一元財務金融担当大臣や鈴木俊一元環境大臣と同級生。

 上久(富山市)は平成21年度の水産庁事業である国産原料確保実証モデル事業でシイラのスリ身化事業が採用され、出来たスリ身(シイラミンチ晒し肉)を富山県や神奈川県小田原市の蒲鉾メーカーに供給、揚げ物製品や大手コンビニ弁当の食材などに利用されている。

 富山湾の定置網では多くのシイラが水揚げされるが、流通業者には不人気なため価格がでない。そこでシイラの活用を目的に、シイラを使ったスリ身の開発が行われている。
 上久は独自の技術(特許)によりトビウオから冷凍スリ身製品を作り、料理素材「もみもみスリ身」として製品化、全国の百貨店で販売してヒットさせている。この技術をもとに、シイラでもスリ身化に取り組んでいる。
 シイラのスリ身化において@冷凍シイラを水晒しして使えるか?A弾力低下の原因分析B実用性・ねり製品としての価値はあるのか?――という技術的な課題があった。
 水晒しについては、富山湾の定置網で獲れたため扱いが丁寧で、温度管理も良く即日凍結でき、水晒しして使えた。
 弾力低下については、背骨を除去してしまえば、腎臓由来のプロテアーゼの混入もないことから、比較的弾力は出た。また、ヒスタミンも検出されなかった。 
 採肉して落とし身をチョッパーにかけ、その後、短時間水晒しすると、きれいな肉に仕上がった。シイラ肉はスワリがかからないのが、一つの特徴となっている。
 水産ねり製品での実用性については、シイラのスリ身は北海道などで数社が手掛けているが、いまだ採算が合わない。原料の安定確保やスリ身の価格面での課題がある。
 「漁師さんや流通業者に不人気な水産資源を活用し、蒲鉾原料の確保と魚価の安定を図るために、シイラのスリ身に取り組んだ。今後も色々な魚種を使い、さまざまな技術で未利用魚のスリ身化に挑戦してみたい」

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