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業界交差点

この人に聞きたい:第327回
(週刊冷食タイムス:12/02/07号)

商品、売り先、人材も集中特化

(株)北光物産 代表取締役社長  伊藤 富士雄氏

(いとう・ふじお)宮城県栗原市のブロイラー処理加工業を引き継ぎ、新会社組織として昭和59年社長に。昭和24年登米市迫町生。新しい経営像を模索する62歳。

地場産商品で難局越え図る

 北光物産が本社を置く宮城県栗原市は大震災で全国最大の震度7を記録したが、幸い直接の被害はなかった。チキン加工品を中心とする同社はむしろ事業環境の悪化を懸念する。地方企業の生き方として注目される。

 ――全国最大の震度7、さぞや揺れたのでは。
 伊藤 揺れは大きかったが、栗原市内に建物の被害は比較的少なく、沿岸部の惨状に比べれば全然。停電や燃料不足、物流、情報網の混乱も当初はありましたが、ここは同じ宮城でも内陸部。短期間に操業を再開できたので、被害を受けた同じ食品業界の皆様を支援しようと、何か当社で手伝えるものがあれば積極的に取り組みました。まず今回は、商品の安定供給を図ることが最も大事なことだと改めて痛感しました。沿岸部の状況がいまも直接、間接的に見えるがゆえに、なおさらです。

 ――北光物産のチキン加工品、日本のトップ級の問屋が惣菜向けチキンで売れ筋ナンバーワンに掲げたこともあったが。
 伊藤 段々厳しくなってきました。競争が激しい。特に大手メーカーがチキン加工品で闘っているため、そのあおりで価格が下がり続けています。同業の経営者の中には採算割れを懸念する声が高くなっています。この厳しさを乗り越えられれば、生き残れるが。

 ――乗り越えるためには?
 伊藤 厳しい環境に対応した企業姿勢に切り換えています。本社工場は1ラインに集約し、商品、従業員、売り先とも集中特化しています。商品の評価は維持しており、取り扱っていただければ価値は認めていただける。さらに価値を高めるため、鶏つくね、チキンハンバーグ等の練り物も手がけます。当社はチキンの専門メーカー。チキンに関しては蒸し、焼き、練り、パン粉製品などにも幅広く対応できるのが強み。しかも、冷凍、チルドとも対応しています。

 ――チキンに関する商品開発では様々な「日本で最初」の取り組みをこれまで行なってきたが。
 伊藤 地場産商品づくりにいま取り組んでいます。原料をできるだけ東北、あるいは宮城にこだわり、県の専門機関と学校の協力を得て商品化を進めています。面白い取り組みだと評価され、ある有力販売チャネルで取り扱いが始まりそうです。期待してます。

 ――様々なネットワークを生かした取り組みが広がりそうだ。
 伊藤 有力食品メーカーの副原料部門からは新しい商品を一緒に生み出して外食の新業態に提案しようというプロジェクトも動きつつあります。

 ――事業のポイントだった海外生産が現地の人件費高騰、人手不足や原料調達難などの環境変化で改革を余儀なくされている。
 伊藤 環境が一変してしまいましたね。中国で専用に使っていた工場が、住宅地や商業施設のど真ん中となり閉鎖されたり。そこで海外は商社的な仕事として工場開拓、部位活用、商品化、販売提案まで行なうような新しいビジネスモデルを模索してます。ここを乗り切れれば、と頑張ってます。

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