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業界交差点

この人に聞きたい:第373回
(週刊冷食タイムス:13/01/08号)

業務用の攻略を

日本アクセス 代表取締役社長  田中 茂治氏

 

統合効果、足し算を掛け算へ

 厳しい環境ながら、伊藤忠フレッシュ等の統合効果で通期の売上げは2ケタ増を達成できるだろう。利益も同様に伸びる見通し。増益は大震災で被災した拠点の復興や物流コスト等が前期大きく生じた反動もある。

 上期はまあまあの業績。核となる加工食品が健闘していることに加え、戦略的に取り組んでいるデリカや外食が伸びている。リテールの加工食品だけでは厳しい。価格などの条件で闘争しても意味がない。当社でなければならないと言われるよう、機能を強化する必要がある。統合効果を足し算から掛け算へ、相乗効果を出す正念場になる。まずは通期の目標達成へ向け、社内の士気を高めている。

 川下ではなく、NB(ナショナルブランド)メーカーと競合しない形で川上に向かっていく。問屋の本分はNB商品を売ること。そのうえでNBメーカーと共に新しい付加価値を売場に作る。当社オリジナル商品の扱いは微々たるもの。アクセスブランドをNBの代わりに売るのではなく、NBメーカーと一緒にPBを使って生鮮売場等に商品を紹介する。

 生鮮売場で「まぐろのたれ」や「オーロラソース」などNBメーカーと共に開発したアクセスブランド商品を提案すると反応が良く、当社商品に切り替えてくれる小売業が多い。こうしてNBメーカーの「場」を広げ、まぐろ等の生鮮品を当社品に切り替えていただく。価格競争で価値を削ってでも市場を獲る考えはない。売場提案力が問屋本来の機能。まぐろの売上げが加工食品とのクロスマーチャンダイジングで高まれば、小売店にはまぐろを当社に切り替えた価値が生まれる。

小口に強い卸とも組む

 業務用卸とパートナーシップを組み、外食市場の深耕に今後本腰を入れる。そのためにも商品、武器、仕組み、システムがいる。売上高1兆6千億円の当社のバイイングパワーが生かせる業務用卸と手を組みたい。外食市場の深耕戦略を当社フードサービス本部で組み立て、パートナーとなった業務用卸と一緒に戦略を具現化する。

 何でも自社でとはせず、優良事業者と組むように現場に指示している。小口顧客に対してはセールス力を持つ業務用卸とマーチャンダイジングで組む、システム提供する、サポートするというように、組んで戦う時代。それがデフレでも成長できる戦略だろう。社員にいくら発破をかけても限界がある。当社は加工食品30兆円の分野を手掛けているだけで、23兆円の外食・業務用のうち個店対応は手つかず。そこで生鮮は武器になる。

 当社は2次卸との取り引きが少なく、業務用も末端に直接卸している。今後は2次卸ではなくパートナーとして一緒にやっていきたい。経営資源をつぎ込んでもいい。インフラを自社で開発しなくてもいい。当社のものを使えばいい。商品力も購買力も、マーチャンダイジングのソフトもオープンにし当社のものを使っていただく。その代わり地域に密着した口座、与信機能等を使わせて欲しい。まだ構想段階に過ぎないが、このように組んでマーケットを開発する、あるいは戦うのが理想。

 マーチャンダイジングもインフラ。我々はNB商品を右から左に流しているだけではない。モノをいかに開発し、付加価値を高めて提供するかに重点を置いている。

メトロにキット提案

 当社の業務用は大手チェーンのみで個店はない。ここに直接乗り出しても絶対に儲からない。業務用卸と組むしかない。当社がメトロと組んでいるのが良い例。メトロは個店対応卸。大手チェーンのバイヤーは入れないため、当社得意先ともぶつからない。メトロと組んで個店を展開し、マーチャンダイジング等に取り組んでいる。

 一方で、メトロのブランド商品を当社が扱うことも考えている。メトロは世界で調達力がある。当社がメーカー会員とメニュー開発を行なうアクセス業務用市場開発研究会でも「メトロチーム」を作り、世界のメトロに対するメニュー提案に取り組んでいる。商品そのものではなく、メニューをキットで提案する。例えば、どんな国のシェフでも3分で味噌汁を作れるようなキットを開発する。

 当社はチルドが商品戦略のアイデンティティであり、業界ダントツで強くならなければならない。従ってフローズンチルドも手掛けるよう指示している。フローズンチルドは流通コストがかさむと嫌がられるが、流通の付加価値を作り、エコといった社会的な付加価値も生み出す。スイーツ等をフローズンで製造し、発注に応じて解凍していけば無駄が省ける。フローズンチルドでも温度管理の履歴がきちんと取れる仕組みを作る。

 中小メーカーの中には、優れた日配品を作っているところが多い。それをフローズンで製造しフローズンチルドで運べば全国展開できる。それを支援する。

 2015年を目処に新生日本アクセスを目指し、後輩に引き継ぐのが夢。2013年は大事な一歩を踏み出す年となる。

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