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この人に聞きたい:第518回
(週刊水産タイムス:15/11/30号)

凍結ニジマスから次世代魚

東京海洋大学大学院 海洋科学技術研究科 教授  吉崎 悟朗氏

(よしざき・ごろう)昭和41年2月17日生まれ。49歳。神奈川県立湘南高校から東京水産大(現東京海洋大)。平成24年から教授。専門は魚類繁殖生理学、魚類発生工学。

 サバにマグロを産ませる研究で有名。このほど、冷凍庫内で凍結していたニジマスから機能的な卵と精子を生産し、これらを受精することで正常な次世代個体を生産することに成功した。これは世界で初めての画期的な成果。

 「絶滅危惧種を冷凍庫内で冷凍しておきさえすれば、たとえ種が絶滅した場合でも、現存する近縁種に冷凍魚由来の精原細胞を移植し、絶滅種の卵や精子を、ひいては受精を介して“生きた魚類個体”をいつでも再生できる」

 近年、乱獲や環境破壊により多くの魚種が絶滅の危機に瀕している。一般に絶滅危惧種の遺伝子資源を保存する方法としては卵や精子の凍結保存が挙げられるが、魚類の卵はサイズが大きい上、脂肪分に富むため、卵や胚の凍結保存は全く進んでいなかった。

 こうした中で、マイナス80度の冷凍庫内でまるごと冷凍していたニジマスを解凍。これらの個体から精巣を取り出したところ、この中に生きた精原幹細胞(精子の元になる細胞)が存在することを発見。

 これらの細胞をふ化直後のヤマメの稚魚(宿主)へと移植することで、この宿主が雄の場合は冷凍魚に由来する機能的な精子を、雌の場合は冷凍魚由来の機能的な卵を生産することを明らかにした。さらに、これらの卵と精子を受精させることで、冷凍魚の次世代を生きた形で生産することに成功。

 今後の展開としては、米国で絶滅の危機に瀕しているベニサケの地域集団を保存するプロジェクトが進行中。最近、山梨県西湖で再発見されたクニマスの精巣凍結プロジェクトも動き出している。

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