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業界交差点

この人に聞きたい:第533回
(週刊水産タイムス:16/03/28号)

お客様と同じ心で商売繁盛

角上魚類(株) 代表取締役社長  柳下 浩三氏

(やぎした・こうぞう)新潟県長岡市出身。昭和15年生まれ。新潟商高時代に野球で甲子園出場。王貞治や板東英二の世代で「彼らと同じ時代にできたのが誇り」という。

 新潟県の寺泊港を地盤に、関東一円に郊外型の大型鮮魚専門店をチェーン展開している。

 創業は昭和49年。ゼロからのスタートだったが、「鮮度、値段、配列(品揃え)、態度(接客)」を最大に重視することで「わざわざ車を使っても行きたい魚屋」に。その人気ぶりから“角上渋滞”という言葉まで生まれた。現在22店舗。売上高は右肩上がりで約300億円。

 マスコミにもよく取り上げられることから店の知名度は高い。大胆な店舗拡大も可能に思えるが、「対面販売がウチの売り。人材が伴わなければ“角上魚類”ではなくなる。目が行き届く範囲でいい」。

 もともとの家業は鮮魚卸と網元。高卒で継いだ。日本海の魚を新鮮なまま築地に届けたいが、高速道路はない時代。11〜12時間かかった。

 当時は木箱が主流なので「黒いピチピチのイカも、東京へ着く頃には真っ白。とても刺し身にはならず、二束三文で叩かれるのがオチだった」。今ではどこでも見られる発泡スチロール箱。金型代90万円を投じて量産化し、いか釣り船に積ませて大成功した。

 スーパーに押され、町の魚屋が次々と姿を消していった頃、スーパーの値段が決して安くないことに驚いた。「あの価格なら半額で売っても十分儲かる」。鮮魚小売業に足を踏み入れた。

 鮮魚はもちろん、刺し身、切り身、寿司、惣菜に至るまで一切の妥協を許さない。目指すは「日本一の魚屋」。だが、それは店舗数や売上高ではなく「お客様が寄せる信頼そのもの」。

 社訓ならぬ「社心」は「買う心 同じ心で 売る心」。

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