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業界交差点

この人に聞きたい:第619回
(週刊水産タイムス:18/01/01号)

海の恵みに感謝

(一社)大日本水産会 会長  白須 敏朗氏
魚料理研究家  是友 麻希氏

(しらす・としろう)水産庁漁政部長、農水省生産局長、大臣官房長、水産庁長官、農林水産事務次官を歴任し、平成21年9月から大日本水産会会長。ワイン愛好家、趣味の絵画は業界以外でも有名。昭和26年2月生まれ。東京大学法学部卒。
(これとも・まき)聖心女子大学で「日本食文化」を研究し、卒業後は銀座の有名寿司店で修行。東京農大と研究を重ね、発酵食文化研究家の第一人者としても活躍。2005年から魚専門料理教室を主宰。(一社)さかなの学校代表。

サカナの魅力は無限

 魚料理研究家、魚の料理学校の先生、魚料理店オーナーと、マルチに活躍する是友麻希さん。テレビ取材や講演依頼も多い是友さんのエネルギッシュな毎日に欠かせないのが「サカナ」。是友さんが、魚に魅かれる理由はどこにあるのか。昨年オープンした是友さんのお店「にっぽんのひとさら」で大日本水産会の白須敏朗会長と「魚の魅力」について語り合ってもらった。

昨年オープンした是友さんの魚料理店
「にっぽんのひとさら」で。
魚を最もおいしく食べるための
研究の成果が、ここで実感できる

食文化を研究後、寿司屋で修行に

 白須 初めまして、大変な活躍ですね。

 是友 ありがとうございます。

 白須 一般的な料理教室は数多くあると思いますけど、魚料理専門というのは珍しい。

 是友 私自身、漁村育ちではありませんし、家業が魚屋でもありません。大学時代は日本史が専門でした。卒業後も今とは全く違う分野で働いていました。

 白須 それが、なぜ魚の道に?

 是友 なぜでしょうか(笑)。幼いころから魚の惣菜は好きでしたが、大学で「日本食文化」の研究に勤しんだこともあり、魚への興味がどんどん募っていって…。気がついたら銀座の「すしもと」で修業していました。(笑)

 白須 まさに筋金入りですね。

 是友 そこで日本料理と魚料理の基礎を徹底して学びました。学べば学ぶほど、魚に魅かれていき、2005年に魚専門料理教室を立ち上げました。最初は一握りの人でスタートしましたが、今は3000人の会員さんがいます。

 白須 それはすごい。しかも、なかなか予約の取れない料理教室と聞いています。普通の料理教室とは違うのですか。

 是友 料理の作り方だけでなく、魚の知識や調理の楽しさを伝えたいと思っています。魚の捌き方など基本的な技術は伝授しますが、講習の目的とするところは「日常の食生活の中で、いかに魚をおいしく食べるか」ということ。食べてみて「ああ、やっぱり魚っておいしい」と感じてもらうのが一番。

 調理の技や、料理の完成度はもちろん大切ですが、日常の食生活に取り入れてもらわないと意味がありませんから、できるだけ調理が簡単で、しかもおいしく食べられる魚メニューをアドバイスしています。

東京の真ん中に魚料理店を開く

 白須 それが本来の魚食普及の姿かもしれませんね。例えばどんなメニューがありますか。

 是友 最近は「鯛のイカ塩辛春巻き」が人気ですね。お父さんの酒の肴にぴったり。おいしいだけでなく、鯛はグルタミン酸、イカはイノシン酸が豊富で栄養面でも優れています。

 白須 旨くて体にもいい。ぜひ食べたいですね。

 是友 2016年に一般社団法人さかなの学校を設立、昨年、魚の飲食店「にっぽんのひとさら」を東京・丸の内にオープンし、魚食普及活動を本格的にスタートしました。これからもっと活動を広げていきたいと思っています。

 白須 お店は大変な人気のようですが、こだわりはどこにありますか?

 是友 魚を最もおいしく食べるために、独自開発した発酵調味料で調理するなど、今までにない食べ方を提案しています。全国各地の漁港から直送された鮮魚を、目の前で搾る「生揚げ醤油」で味わっていただきます。搾りたての醤油と刺身の相性をぜひ実感してみて下さい。

 白須 味わい深いですね。コクがあり、普通の醤油で食べるのとは明らかに違う。

 是友 「本日のおすすめなめろう3種盛り合わせ」も人気メニューです。自家製発酵調味料の「醤」で味付けをした、その日のお勧めのなめろうです。

 醤は、日本古来の製法からヒントを得て作った納豆醤やココナッツ醤などがあり、なめろうも「まぐろハワイアンなめろう」「サーモンカルボナーラなめろう」など、その日に届いたお勧めの魚によって変わります。

 白須 この「ふたくち発酵鯛茶漬け」も絶品ですね。

 是友 新鮮な鯛の刺身を、特製潮汁と発酵ゴマ醤油で味わう“ひとさら流”の鯛茶漬けなんです。発酵潮汁は1週間発酵させた鯛のアラを3時間かけて煮出しています。

 白須 鯛の旨みがしみわたってますね。これは魚好きにとって飲んだ後のメニューとしてはたまりません。発酵とのコラボで魚のおいしさが倍加している感じがします。

 是友 これからも既成概念を超えた「意外な驚き」を味わえる料理を提供していきたいと思います。

 白須 ぜひ、頑張って下さい。大日本水産会でも小学生を対象にした「おさかな教室」など、様々な魚食普及事業を実施していますが、是友さんのような応援団がいらっしゃると、とても頼もしい気がします。

魚食の祭典に興味津々

 是友 大日本水産会では、夏にシーフードショーを開催していますよね。

 白須 8月に東京、2月は大阪で実施しています。東京は国内、海外から約8000品目の展示があり、3日間で3万人以上の業界関係者が訪れます。試食も充実しており、今ではヨーロッパ、米国、中国の世界3大シーフードショーに並ぶ規模になりつつあります。是友さんも、ぜひいらしてください。

 是友 魚食文化の祭典ですね。ぜひ、行きたいと思います。

 白須 シーフードショーを開催するたびに実感するのですが、日本人は本当に魚が好きです。四方を海に囲まれた島国ということもあるのでしょうが、全国津々浦々に魚を素材にした郷土料理が豊富で、是友さんもご存じのように、それぞれの地域に根差した魚食文化があります。

 是友 確かにどこへ行ってもおいしい魚料理がありますよね。

 白須 最近は「SUSHIブーム」に象徴されるように、海外での水産物需要が高まっています。「おいしくて健康にいいシーフード」に世界が注目しています。

 是友 「魚の魅力」が改めて見直されているのでしょうか。

 白須 そうですね。歓迎すべきことだと思います。水産物の素晴らしいところは、資源を適切に管理していけば将来にわたって持続的に利用できる食料であるということです。

 是友 海からの「贈り物」ということですね。

 白須 日本は世界三大漁場の一つを含む、世界で6番目の排他的経済水域(EEZ)を持ちます。豊かな沿岸漁場にも恵まれています。いわば水産大国です。

 その一方で、日本の水産業は漁業就労者の高齢化や漁船の老朽化、資源問題、また消費者の魚ばなれなど様々な課題も抱えています。

 大日本水産会としては、これらの問題を解決し、水産業の健全な発展が図られていくよう、今年も頑張っていきたいと思います。

 是友 会長が言われたように、日本は豊かな海に囲まれていると実感します。浜によって獲れる魚の種類がとても豊富で、同じ魚でも部位によって味わいが違ってくる。その奥深さが魚の魅力だと思います。

 魚には最もおいしい時期、つまり「旬」があります。これも私が魚に魅かれる大きな理由の一つです。今年も魚をよりおいしく食べるための研究を続けていきたいと思います。

 白須 海の恵みに感謝しつつ、今年もお互いに頑張りましょう。

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