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業界交差点

この人に聞きたい:第696回
(週刊水産タイムス:19/07/22号)

鯖ブームは終わらない

全日本さば連合会 会長  小林 崇亮氏
広報担当“サバジェンヌ”  池田 陽子氏
鯖や/SABAR 社長  右田 孝宣氏

(こばやし・たかあき)「サバ」をこよなく愛する自称「サバニスト」として2013年に「全日本さば連合会」を結成。「鯖ナイト」や「さば塾」などのイベントを通じ「さば友」の輪を全国に広げる。本業はWebや紙媒体のデザイナー&ディレクター。1974年、福島県生まれ。
(いけだ・ようこ)「全さば連」の外交担当“サバジェンヌ”。本業は薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社で女性誌、航空会社で機内誌などの編集を手がけた。国際中医薬膳師の資格も取得。
(みぎた・たかのぶ)「とろさばを世界ブランドに!」を合言葉に、「とろさば」の美味しさを知ってもらうアンテナショップ『さば料理専門店SABAR』を2014年オープン。また、子どもたちへ「お寿司体験プログラム」をスタート。地域に根ざした活動で地元の食育活動も行っている。1974年、大阪生まれ。

 昨年、1年の食の世相を象徴する「今年の一皿」(ぐるなび主催)に「鯖」が選ばれた。おいしさと健康志向から見直されたサバ缶詰の生産も前年比40%増。どこまで続くか「サバ人気」。全日本さば連合会の小林崇亮会長と広報担当“サバジェンヌ”こと池田陽子さん、鯖料理専門店を全国展開する「SABAR」の右田孝宣社長という“サバ”とは切っても切れない3人が鯖談義に花を咲かせた。

小林 サバのおいしさ もっと実感して
池田 美容と健康からサバにアプローチ
右田 将来はサバの総合商社を作りたい

 小林 今まではサバを単に魚の種類の一つとして見ていた人が、あえてサバを選ぶ、特別な感情を伴ってサバをみてくれるようになりました。サバの地位が大きく向上しました。

 全さば連としては、もっとサバを食べてほしいと思うし、旬のサバのおいしさを、より多くの人に実感していただきたいですね。

 池田 さすがは全さば連会長。合格です(笑)。確かに昨年は、サバ人気で全さば連にも取材殺到。どうなるかと思いました。

 サバといえば、〆鯖やサバ味噌煮が定番ですが、「鯖サンド」など洋風メニューの登場で女性層にも人気が広がりました。サバの健康・美容効果にスポットが当たったことも受け入れられた要因だと思います。「SABAR」もサバブームに乗って、かなり店舗数が増えたようですね。

 右田 はい、(鯖ブームが)やっと来てくれたかという気持ちです。店の出店計画とサバブームがぴったりはまりました。

 逆に、なぜ今までサバがあまり注目されなかったのか、不思議に思うくらい。昨年は日本水産とのコラボが実現しましたし、つい最近もアパホテルとのタッグで「アパ社長サバカレー」をメニュー化しました。サバブームのおかげで、いろいろな人々との出会いがあり、感謝しています。

 小林 福島県の会津に生まれ育った私は、サバ料理といえばサバ缶詰でした。学生時代、岩手の海に釣りに行った時、ヒラメを狙っていたのですが、サバが釣れちゃいまして。獲れたてのサバで母が「〆鯖」を作ってくれたのですが、その時の旨さは今でも忘れられませんね。缶詰のサバも好きでしたが、あの「〆鯖」を食べた瞬間、「サバってこんなに美味しい魚だったのか」と体の中を電流が走ったようでした。

 池田 私は宮崎出身で、中学、高校時代を大阪で過ごしました。大阪と言えば「バッテラ」でしたが、これだけサバにのめり込んだのは、ずっと後の話。バーで開かれていた、今にすれば「鯖ナイト」の原型のような集いに参加してからですね。小林さんたちと出会ってからです。

 小林 あれは回を重ねるごとに参加者が増えていった。みんな、サバにハマってしまった。世の中にサバ好きな人って結構多いと思いました。

 右田 実は、19歳になるまで魚嫌いでした。食卓にはサバを含めた青魚の煮付や焼物がよく並んでいましたが、正直言って「またか」と思っていました。

 社会人になってスーパーの鮮魚売り場で働くようになり、オーストラリア人に〆鯖を作って食べさせたところ、とてもおいしいと喜んでくれて。サバに対するイメージが大きく変わったのが、その時でした。

 サバは大衆魚でありながら、京都には1本で何千円もする「棒寿司」の老舗もある。大分の「関さば」も高価なブランド魚として全国的に知られている。日本には「鯖街道」というのはありますが、「いわし街道」「あじ街道」はありません。サバは日本の生活文化に根差し、しかも奥が深い。ですからサバが持つポテンシャルは、限りなく高いと感じています。

 池田 高知の土佐清水で食べた「土佐の清水さば」」の味が今でも記憶に鮮明ですね。ゴマサバですけど、地元には刺身を塩とゴマ油で食べさせるお店がありまして。あの食べ方は獲れたての新鮮なサバだからできること。歯ごたえ、風味、脂の乗り、どれをとっても究極といっていい味わいでした。

 小林 私は、シンプルなサバ文化干と炊きたての白いご飯があれば最高と思っている人種ですが、確かに土佐清水のサバは別格ですね。あそこへ行かないと食べられません。その点は池田さんと全く同感です。

 右田 八戸のサバもすごいですよ。大間のマグロ、八戸前沖さばのルイベを目隠しで食べさせられたことがあるのですが、正直いって、どちらがサバかマグロが分からなかった。

 小林 考えてみれば、マグロもカツオも同じサバ科ですしね。八戸前沖さばは脂乗りが大きな特徴ですが、それにしても、すごい脂の乗ったサバだったということですね。

 右田 1sの特大サイズでしたから。まさにサバのパワーを実感する出来事でした。ところで、その八戸前沖さばを“漬け”にして食べたらどうなると思います? 考えただけでドキドキしてきますよ。

 小林 「鯖ナイト」が定着するようになってから、全国のサバ好きが生産地に集結する「鯖サミット」を開くのが夢でしたが、おかげさまで昨年、九州を代表する大中型まき網漁業の拠点、長崎県の松浦で実現しました。市の人口を上回る4万5000人が集まり、大盛況でした。今年も11月に八戸で開催します。

 右田 私も「八戸前沖さば大使」、頑張ります。

 小林 当面は「鯖ナイト」や「鯖サミット」を定着させていくことに力を入れていきますが、実をいうと、もう一つ夢がありまして。「全さば連」という名の食堂をやってみたいのです。
 日本は旬に応じて、各地でサバが獲れます。北海道釧路の「北釧鯖」、宮城県石巻の「金華さば」、神奈川県三浦市の「松輪さば」、さっき話が出た高知県土佐清水市の「土佐の清水さば」、また昨年「鯖サミット」を開催した長崎県松浦市の「旬(とき)さば」、そして大分市の「関さば」など、どれも甲乙つけがたい日本のブランドサバですが、実は、それ以外にも絶品サバが存在します。水揚げ次第、仕入れ状況によって、その日に入ったサバをランチで提供するのです。

 右田 サバ好きの五感に訴えかける食堂ですね。兵庫に「香住さば」というのがあって、数量があまりないため流通には乗らないのですが、これもすごいサバ。SABARが直接、産地から取り寄せています。

 池田 産地によって、微妙な味わいの違いが感じ取れるようになると面白いですね。私はサバの食文化を世界に広げるのが夢。薬膳、美容の面からも必ず受け入れられると思います。

 右田 「SABAR」は大阪や首都圏だけでなく、静岡の熱海、名古屋、岐阜にも出店予定で、現在38店舗まで見えてきました。海外にもシンガポールへの出店が決まっています。世界に「SABAR」を広げ、いずれはサバの総合商社を築きたいと夢見ています。

 右田 鯖専門料理店をチェーン展開していく上で、サバの食文化を発信し、サバ好きを増やす活動を進める「全さば連」の存在は、深い敬意とともに、大変心強く思っています。サバブームは始まったばかり。サバの魅力は尽きません。今後も様々な角度からのコラボができれば有難いです。

 小林 それぞれの家庭の食卓で、サバがもっと手軽に美味しく食べられる機会が増えていけばいい。
 それにはサバのおいしさを実感してもらうのが一番。「SABAR」で、サバ好きを増やしてほしいですね。おいしい鯖料理を提供してもらうのはもちろんですが、「これなら自宅でも作れるかな」とヒントになるようなメニューも出していただけるとうれしい。

 右田 そうですね。今後も“正しきサバ道”へのお導きをお願いします。

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