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業界交差点

この人に聞きたい:第741回
(週刊水産タイムス:20/06/22号)

Withコロナどう向き合う

(一社)豊洲市場協会  伊藤 裕康会長(中央魚類会長)

(いとう・ひろやす)1934年、東京都生まれ。立教大学卒業後、中央魚類入社。取締役、常務、専務、代表取締役社長を経て、現在は代表取締役会長CEO。東京都水産物卸売業者協会会長。全水卸最高顧問。大日本水産会相談役。

品質へのこだわりが最大の対策

 新型コロナウイルスは水産業界にも大きな影響をもたらしている。全国の感染者は一時に比べて減少したかにみえるものの、中国・北京で新たな集団感染が発生するなど、依然として油断できない状況が続く。今後、コロナとどう向き合っていけばよいのか。業界の声を聞く。(随時掲載) 

 ――豊洲新市場がようやく落ち着きを見せてきたところで、今回のコロナ騒動。感染者の数は減りつつあるようですが。
 伊藤裕康会長 当初はコロナ感染の疑いがあっても、PCR検査がなかなか受けられない状況が続いたことで、実際の感染者がどれだけいるのかをつかめませんでした。京都大学の山中伸弥教授が全国の大学の研究所や民間施設を活用した検査体制の拡充を提唱しましたが、政府は何故、そこに踏み切らなかったのか。未だに不思議に思います。諸外国に比べて感染者数が少ないままの状態を維持したかったのではないかと思わざるを得ません。

 ――自粛要請や緊急事態宣言の時、どう過ごしましたか。
 伊藤 社員は検温とマスク、グループに分かれての在宅勤務、時差通勤となりましたが、私自身はコロナ前と全く変わらず、毎日通常通り出勤しました。
 テレビ会議を初めて経験しました。最初は相手が中国。通訳を入れ、それぞれ5〜6人が参加し、1時間半ほど行いました。
 わざわざ中国まで行くこともなく、会話の時差もありません。双方にとって非常に重要な案件でしたが、極めて実質的な会議となり、最終的に合意に至りました。「これでやれるものなのか」と、つくづく関心しました。
 今は会社の取締役会やグループ会社の合同会議もテレビ会議で進めています。今後の流れかもしれません。もう慣れてはきましたけれど、ニュアンスが伝わりにくい面もある。「やはり顔を合わせた会議とは違うかな」とも思います。

 ――豊洲市場のコロナによる影響は。
 伊藤 卸7社の水産本業の売上高は前年に比べ、3月が数量4%減、金額16%減、4月はさらに落ち込み、数量14%減、金額34%減の危機的状況となりました。
 緊急事態宣言による在宅勤務の呼びかけで、中食や内食が伸びる一方、外食関係、特に市場が得意とする高級業務筋が壊滅状態となり、活魚やウニも全く売れなくなりました。こうしたコロナ禍の動きが我々の仕事にもはっきりとした数字となって如実に表れ、市場と社会のつながりの強さというものを改めて実感しましたね。
 5月に入り、航空便の中国輸出の復活や冷凍サケの消費増、豊洲発のネット販売の著しい伸びもあり、数量8%減、金額22%減と、数字的にはやや持ち直しました。6月はもう少し上向くことを期待しています。

 ――豊洲市場でコロナ感染者が出たというニュース(6月19日現在)を聞いていません。
 伊藤 それが当たり前だと思っていましたが、こういう状況下ですから、感染者がいても不思議ではありません。知人から「これだけ多くの人や物が集中する市場で、感染ゼロというのはすごい」と言われ、改めて気付いたくらいです。
 閉鎖型の衛生的な設備が豊洲市場の大きな特徴であり、設備は格段に良くなっています。こうした面が寄与しているのは間違いありませんが、コロナ感染防止の基本となったのは市場人の感覚にあるのではないかと思います。
 もちろん、うがい、手洗いといった基本的な衛生対策はコロナ以前から励行されていますが、何といっても市場は鮮度と品質。商品を大切にする基本的な姿勢が、最大のコロナ対策になっているのではないでしょうか。

 ――業界は今後、「ウィズコロナ」とどう向き合っていけばよいでしょう? 
 伊藤 いかなる状況になっても「これがダメなら、こうすればいい」と、創意工夫の姿勢を持ち続けることではないでしょうか。ここへきて、豊洲発のネット販売が驚異的に伸びています。
 また、当初は養殖業者が心配でしたが、三枚おろしにしてパックし、チルドで販売するなど、生産者にも工夫がみられます。普段はあまり見かけないような高級魚も並ぶなど、スーパーの鮮魚コーナーの品揃えもかなり変わってきました。
 我々は市場の専門性が強み。それを生かしながら、新たな発想、ビビッドな感覚で生活者のニーズに合わせた商売の多角化が図れるかどうか。ここらが決め手になるでしょう。
 コロナに負けず、皆で張り切っていきましょう。

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