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業界交差点

この人に聞きたい:第746回
(週刊水産タイムス:20/07/27号)

学び、変化する飲食業

(株)epoc  佐藤 信之社長

(さとう・のぶゆき)外資系コンサルティング会社、外資系会計事務所などを経て、上場外食企業の副社長として株式上場を指揮。その後、子会社代表などを歴任した。1972年生まれ、東京出身。

 epocは東南アジアを中心とした海外飲食店向けの水産物の輸出・販売、海外進出支援事業を展開。タイ・バンコクでは寿司料理店「すし勝」などの飲食店経営も手掛ける。昨年はグループ会社(epocトレーディング)が横浜市中央卸売市場で13年ぶりとなる水産仲卸免許を取得。自社飲食店での提供や、現地飲食店への卸売りを自社グループで一気通貫して実施できる体制を構築した。

――コロナで東南アジアの飲食はどう変化したか?
 佐藤信之社長 日本人で初の感染者が確認された1月下旬にはタイ、シンガポールで団体の観光客がほとんどいなくなり、観光客向けの飲食店の売上げが大きく落ち込んだ。3月22日にはタイ・バンコクで商業施設が封鎖。飲食店は持ち帰りと宅配のみの営業となった。その頃にはタイを含め、当社の水産物輸出はほぼストップした。ただシンガポールに対しては週に1便、個人向けに野菜、果物含めた日本食材の輸出を行っていた。
 封鎖中、バンコクで運営する「サイアム高島屋」内の「すし勝」では現地調達の食材でテイクアウト販売を実施。また、スーパーマーケットなど計5カ所でも「すし勝」ブランドのテイクアウトを行っていた。

 ――収束が見えてきた6月以降の対応について
 佐藤 5月にはタイの規制が緩和。3日から飲食店内での食事や美容院の営業などが、17日からは百貨店やショッピングモールなどの再開が認められた。
 6月30日に非常事態宣言解除がされることを見越し18日にはタイ・バンコクへの水産品の輸出・卸売販売を3カ月ぶりに再開した。解除は見送りとなってしまったが、今月末の解除に向け準備を進めている。宮崎県のブランド魚「ひむか本サバ」のタイ向け輸出も9日出荷分から再開している。
 シンガポールでは6月19日からレストランの店内飲食や小売店の営業再開が許可された。7月上旬から本格的に事業を再開したが、規制下で発掘した個人向けの販売にも引き続き注力していく。
 今後は徐々に輸出量を戻していくことになるが収束後の取扱量はコロナ以前を超えてくると想定する。飲食店の休業、廃業に伴い、卸業者も撤退や廃業がみられるため、飲食の店舗数が回復した際の需要をしっかりと抑えていきたい。
 3〜5月のグループ全体の売上げはコロナ以前の7割減。4月に底を打ち、回復基調にある。年内にはコロナ以前の状態に戻す計画。

 ――飲食店に未来はあるか
 佐藤 コロナ禍によりライフスタイルは大きく変化したが、胃袋の数が急激に変化したわけではない。当社が経営する飲食店も、取引先の飲食店にしても新常態に対応しつつ、リピーターやヘビーユーザーが生まれるブランディングを確立すればウィズコロナ時代においても維持、発展が可能だと考えている。
 日本の飲食店も厳しい状況ではあったが、先払いサービスで緊急宣言下の収入を確保した店は多く、常連客が多い店は売上げの回復も早かった。
 テイクアウトやデリバリーも引き続き重要となる。タイの「すし勝」事業のテイクアウト販売拠点は規制下で増加した。これを契機とし、日本産水産物の供給が回復した後も、引き続き拠点を増やしブランド力を強めていきたい。
 それに伴い、加工の技術・体制強化も検討している。横浜市中央卸売市場で仕入れた朝獲れ魚が翌日の日中にはタイの飲食店で提供できるなど流通力が当社の強み。飲食業への卸のほか、テイクアウトや個人向け販売を拡大していくためには、加工度の高い状態での水産物輸出や鮮度、品質を維持する高い冷凍技術・設備などを導入する必要もあると考えている。

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