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今週の一本

●「ギョーザ」に次ぐ柱を  高橋尚徳 (週刊冷食タイムス:25/12/09号)

味の素冷凍食品 事業ポートフォリオを強化

 味の素冷凍食品の寺本博之社長は来年度以降、「事業ポートフォリオを強化する」とこのほど開いた年末会見で方針を示した。すでに取り掛かっているが、「AJINOMOTO ギョーザ」に次ぐ事業の柱をいくつも作ることにチャレンジする。

寺本社長
 寺本社長の発言要旨は次の通り。
 「2025年は環境変化がかなり進み、我々が迅速に対応しきれなかった反省が大いにある。ただ、そこからの学びも多く、製品戦略上は骨太になった。26年度以降のプランにしっかり反映させたい。
 来年度の方針は大きく2つ。1つ目は事業ポートフォリオの強化。上期は『AJINOMOTO ギョーザ』のマーケットシェアを落とし、業績に影響を与えたことに注目が集まったが、冷凍食品事業を始めて50年以上という長い時間軸で捉えると、当たり前に起きることが今起きているだけ。当社は冷凍餃子だけで収益を上げる会社ではない。冷凍餃子を強化するのはもちろん、冷凍餃子以外の柱を作るという命題の方が大きい。

スイーツが成長

 スイーツは業務用がメインなので、あまり表に出ていないが、着実に成長し、稼げるビジネスになっている。それに次ぐ商材として焼売、ハンバーグ、鶏肉製品などがあり、いずれも儲かるビジネスになる可能性はある。
 2つ目は、さまざまな価格帯を持ち得るべきカテゴリーがあり、多様化する生活者に対し、1品1品はそこまで大きくなくても、ニーズがある製品でアプローチすること。最たるものは『ギョーザ』。1品でかつては8割、直近では下がったとはいえ65%を稼いでいる製品に、会社の目が行き届かなかったところはある。『ギョーザ』を売ってさえいれば儲かる、と考えてしまうのは人間ならあり得る。そこが今、揺らぎ始め、転換期に来ている。規模が小さくなったから生産性が落ちる、という既成概念を取り払い、規模が小さくても、しっかり儲かるようにする。儲からなければ、支持してくれる生活者に製品を届けることができなくなるため、そこに全力を注ぐ。
 『おべんとPON』は購入した生活者からの反応が非常に良いにも関わらず、売場でのプレゼンスが低下している。いつもの考え方では市場から消えてしまう。規模がなければ生産性が保てないという、我々のこれまでの実力を乗り越え、規模が小さくても高いニーズがある製品を作り続けることができるようにしたい」。

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