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今週の一本

●香料の成分、信用より確信を 木村健 (週刊冷食タイムス:05/05/24号より)

食品の異物や無認可添加物混入騒動は一時期に比べ下火になった感があるが、食品メーカーはまだ完全に安心できる環境にはない。懸念する問題の一つが香料。

香料の詳しい成分の一部は、使う側である食品メーカーも把握できないものがあると聞く。だとすればトレーサビリティの線が途切れる。

成分と配合は香料メーカーにとって重要なノウハウであり、もっとも大切な知的財産には違いない。しかし、三年前にヒマシ油など三種類の無認可成分が入った香料が出回った事件は冷食産業だけでなく、広く食品業界を揺さぶった事はまだ記憶に残る。疑えばきりがないとはいえ、万が一の事故があったときには企業の生死を左右しかねない時代に、無認可成分を使っていないことを信用するしかないというのは、使う側にとってはいかにも心もとない。

香水などの配合をする調香師は常人ではとても区別がつかいないレベルをかぎ分けるという。ある種の香り成分は使いすぎるとかえって悪臭になる。調合も微妙なもので、そこに香料の価値があるということはわからないでもない。食品香料も多かれ少なかれそういう面があるだろう。しかし、少なくとも食品メーカーにしてみれば成分は完全に把握したいもの。色素などは認可されたものであっても、後から発がん性を危険視する研究が発表されたりするケースもあった。

ノウハウを守りたい香料メーカーと、リスクを減らしたい加工食品メーカーの双方の考えは、それが最終的には消費者の体内に入るものと考れば、ある意味どちらもエゴといえなくもない。誰のために何が必要なのか。双方が同じベクトルに向かって納得のいく方法を見出すことを願いたい。


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