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今週の一本

●「やわらかい」は「おいしい」ではない 去石誠一(週刊冷食タイムス:05/07/19号より)

変わる表現方法

 「時代の流れ」を食品の世界を通じて感じるケースが少なくない。その一例として、食品を見て「かわいい」、食べて「やわらかくておいしい」だ。中高年、とくに男性が食品を見て「かわいい」と言葉を漏らす場面はまずない。心で「かわいらしい」と感じはしても、まずストレートに「かわいい」とは表現しないだろう。ところが、女性の場合は、気に入ったものがあれば「かわい〜ぃ」を連発する人が多い。女子中高生に限ったことではなく、妙齢のご婦人でさえ使う。
 こうした表現方法の変化はメーカーのマーケティングにもしっかりと取り入れられており、パッケージや調理例が「かわいく」飾られている食品も少なくない。児童、学生向けの商品ほどその傾向が強い。売場で肝心なのは、まず手に取ってもらい、購買してもらい、食べてみてもらうことだから至極当然だ。こうした傾向は決して非難するものではないが、中高年の感覚では「食べるものに何故かわいさが必要なのか」と理解に苦しむのは否めない。一方、テレビ番組のレポーターが何かを食べて「やわらかくておいしい」という表現は、無粋に尽きる。どんな具合においしいのか、全く伝わってこない。確かに、柔らかくておいしいものはたくさん実在する。気になるのは、「おいしさ」と「やわらかさ」が同義語のごとく乱用されていることにある。もはや『飽食の時代』という言葉が古めかしく感じられる時代。こうした表現も甘んじて受け入れるべきなのか。ただし、食品業界に身を置く人間くらいは、おいしさの表現に気を配って欲しいものだと思う。料理学校の先生や、学校給食関係者にもお願いしたい。あるメーカーの商品開発担当役員は「いまや『かわいい』とか『やわらかい』は食味を評価する言葉。気にしていたら病気になりますよ」と淡々と事実を受け止める。これも時代のなせる技か。


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