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今週の一本

●松田直子の辛口批評 (株)レ・サンク社長 松田直子
(週刊冷食タイムス:06/05/23号)

チョイ高・弁当の的はずれコンセプト 

 デパートの食品売場で松花堂仕立などの高額弁当を買うのは、確かに中・高年主婦、そして富裕層(?)であろう。しかし、大体は料亭ブランドでいかにも上品そうでおいしそうだが、案に相違して内容はブランドが泣くようなレベルのものが多く、もう二度と買わないぞと決心している人は少なくない。これに比べ、味つけや品質の良い、量り売り惣菜ならば一度失敗した惣菜は二度と買わないで、好みの組合せでおかずを揃えられる。しかしお弁当箱に詰められてしまうと、一つでも気に入らないものがあれば全体を否定される。価格が高い分だけそのリスクは大きいが、それならチョイ高値段のものはどうだろうか。

 最近、一見料亭御膳風のチョイ高弁当が登場した。九百二十円という価格に対して購入者の満足度はどうだろうか。CVSで少し高額のお弁当を買う人がいないわけではもちろんないが、問題はそのコンセプトである。商品設計(デザイン、メニュー内容)はターゲットをしっかり見据えた上、惣菜の一つ一つは勿論、トータルバランスも含めて慎重に開発してほしい。お客をなめているかのごとき新商品で新しい顧客層を開拓、需要を創造しようとするのは無謀ではないだろうか。

 このチョイ高弁当、パッと見はちょっと華やかで料亭風松花堂弁当のミニチュア版といった魅力はある。しかしいざ食べようと箸を手によくよく見ると、九つに仕切られた枠のうち三つは白飯おにぎり、筍ご飯、いなり寿司とかんぴょうのり巻き、かっぱ巻き一コずつ(ここで素人でも三分の一のコストは計算できる)。野菜の煮物はそこそこ、鶏のから揚げは皮がほとんどで衣はカチカチ、他の枠はひじき煮物ときんぴら。少しましなのが焼鮭と薄切り一枚の酢蓮根。なんとも実のない内容だ。全て現行の三百円台の弁当の中身と同レベルのものに思われることになり、誰が見ても高すぎる。

 この新製品にはスケールメリットがないという大変さはわかるが、定番品からチビチビつまみ出して詰め直したかのような内容は、たとえそれが誤解だとしても消費者に『二度と買わない』と不信感を持たせるのに充分だ。ちょっと高めの商品はそれなりに、ちょっとお得感の喜びと満足をあたえることがマーケティングの基本である。


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