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今週の一本

●違法駐車取締にとまどい 橋本  武寿
(週刊冷食タイムス:06/06/20号)

対応に苦慮する問屋

「二人乗車」ではコスト高に

 道路交通法一部改正に伴い、放置車両確認事務等の民間委託を伴った駐車対策が今月から施行された。短時間の駐車にも厳しく対処する取り締まりとなったため、都市部の集配業務に支障を起こしているケースがある。繁華街等では二人乗車体制とした企業が複数あり、各社ともコスト増を見込んでいる。都心では昼間配送に応じるのを今月から全て見合わせた卸企業もある。また、二人乗車にも関わらず摘発された例も出てきた。一方で、違法駐車規制強化取締はドライバーの心の余裕を奪い事故を誘発するのではないか、と懸念する意見もでている。業界関連企業の対応などをまとめた。

 関東圏半径百五十キロメートルにエリア限定し一般共同配送や問屋便等を冷凍車フクロー便でカバーする冷凍食品物流企業のアウルポーター(千葉県八千代市)は、都心の昼間配送を今月から全て見合わせ、夜間配送で対応している。売上げに若干影響は出る見込みだが、当面は様子をみる。

 配送料金はガソリン代が高騰した分を既に値上げしている。違法駐車の取締強化の対応で二人乗車配送という場合、さらに値上げしなければならないため対応は難しく、昼間配送を取りやめることにした。

 名糖運輸は、摘発の厳しいエリアで二人乗車を実施しているが、神奈川では一件、二人乗車にも関わらず車から離れていたため摘発された。同社では一人乗車の場合、納品中と分かるステッカーをフロントガラス等に貼るよう指導。配送先の近辺に駐車場があれば、少し距離があってもそこから荷物を運ぶよう指示している。配送先によっては、店員などが荷物を取りに来ることもあるという。また一部の荷主は、料金を値上げしても構わないという前提で二人乗車を申し出る先もあるというが、それはあくまで一部とのこと。

 久世は配送車に営業員を同乗させて改正道路交通法への認識を促すとともに、協力運送会社の方針を集約しているところ。地域によっては二人乗車が避けられないとみている。「まず運送会社の合理化努力を求めるが、必然的に応分のコスト負担が生じるのではないか」(同社)という。

 路地裏配送も多く、良質な運転手の確保が必要だが、今は人手不足のため、人材確保を優先すると若干のコスト負担はやむをえないとしている。

 石光商事は物流費を中心にコストダウンに挑戦しているが、短期的に成果をだすのは厳しいとみている。同社は自前の物流ではなく委託だが、委託先からの改正道路交通法等の対応に伴う配送料の値上げ要請も覚悟しており、これが原油高とともにコストダウンのネックになっている。

 関東食糧は「六月一日から二人体制で様子をみてきたが、いまは解除している。埼玉県は都内と比べて駐車場を持っている顧客が多いことと、店側が車を見ているからと協力してくれるケースも多い」(臼田真一朗常務)という。同社顧客の六割が埼玉県内の小規模飲食店。六月十三日現在、駐車違反で取り締まりを受けたケースはゼロ。

 ナックスナカムラは配送車両の窓に『配送中です』というシールを貼っているが、「あくまでも気休めの措置」(中村典正社長)。「大手宅配業者のような二人体制はコスト的に無理。得意先のご理解を頂き、駐車場を拝借するのが基本。駐車場のない得意先では、周辺の時間貸しパーキングを利用している」(同)。

 店によっては「ウチはお客様以外の駐車はお断り」と頑なところもあるのが悩みのタネ。違反による罰金は会社でなんとかできても、ドライバーが引かれる点数の救済策はなく、頭の痛い問題という。

 キユーソー流通システムでも、フロントガラスに納品中と分かる表示をするよう配送協力会社に指導した。またCVS配送など問題の起きそうなところを中心に二人乗車体制を敷くよう求めている。ただし、二人体制のための人材確保の難しさを感じている。

 そこで「ワーストケースを想定してどうこうするより、現状に合わせて当社がルールをしっかり守るというところで対策を進めたい」(同社)と、取り締まる側の現実的な対応に期待している。

ドライバーの心の余裕奪う懸念

 全日本トラック協会では、違法駐車規制強化取締がドライバーの心の余裕を奪い、事故を誘発するという負の影響を懸念する。同協会では荷主に対し、集荷・配送トラックの駐車スペースや荷捌きスペースの確保、時間指定の場合はゆとりを持った時間設定をお願いしている。また、路上にしか駐車できない場合、集荷・配送時の荷物の引き渡し、受け取り作業への協力を求め、さらにビル内への集荷・配送は場所の集約を求めている。

 取材を進める中で「四十七都道府県のうち約三分の一は警察が業務作業時の適用除外を認めている」という情報もあったが、警察庁広報は「そういう事実はないが、業務の内容によれば許可は出る」と話している。


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