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今週の一本

●マスコミ過熱も実需クール  辻 雅司
(週刊水産タイムス:06/11/06号)

倍増のメキシコが台風の目

年末に向けての蓄養マグロ動向

 一般紙などのマスコミが来年の日本のミナミマグロ漁獲枠の削減を大きく取り上げ、マグロの供給減を報じているが、年末に向けた脂物のマグロは、蓄養物の供給が地中海物、メキシコ物で増産が見込まれる。年末に向けて価格は堅調なものの、供給自体はかなり潤沢で、特にメキシコが昨年と比べて倍増していることから、今年はメキシコ物が年末マグロの台風の目になると見られている。

地中海もの値決め難航

 蓄養マグロの今年の価格は、豪州物の冷凍現地渡し価格が昨年キロ1300円だったものが1650円となった。日本の市場での価格は昨年のキロ2000円が2300円。地中海物の冷凍現地渡し価格は昨年1800円のものが、今年が日本商社がキロ1900円、現地の網会社は2000円を主張し、価格の折り合いがついていない。しかし、冷凍船は年末までに日本に着かなければならないので、水揚げ作業は進められている。

 スペインなど地元の網元が2000円を主張するのは、現在、生の空輸物が築地で4000円となっており、これから計算すると冷凍物は2000円でないと、生の出荷とのバランスがとれないとの理由から。仮に冷凍物が現地価格2000円の場合、日本市場では3500円となる。しかし、この価格では豪州物2300円や今後、控える増産しているメキシコ物の動向が予断を許さないことから、2000円の買い付け価格に難色を示している。

メキシコ、練度高まり斃死減少か

 一方、今年の蓄養マグロの池込み数量は(東京築地卸会社集計)昨年より合計で4200t多い4万0820t。地中海地域が昨年より1600t増の2万3820t、メキシコが3150t増の7000t。

 新規の業者が多いメキシコでは、赤潮などによる斃死、網からの逃避、海産哺乳動物の食害などで、池込みしても最終的な出荷数量は伸びなかった。ただ、経験を重ねたことで斃死も少なくなっているとされる。「成長して1万t近い数量になっているのではないか」との説もある。
 市場関係者は「マスコミが騒ぎ価格が上がっているが、荷動きが悪い。以前、地中海や豪州の畜養マグロを扱っていた量販店が扱いを絞っており、店頭に出回らなくなった」「回転寿司もひと頃より元気がない。越年ものもある。こうした中で年末商戦に向かうが、メキシコが増える市場の予想がつきにくい」としている。

 年末に向けてのマグロはメキシコ物が台風の目となる。また、マグロ流通に詳しい専門家は「平成11年にマグロ漁船が2割減船し、この時、代替商材としてミナミマグロを高値で買い、2年目の年明け後に在庫を抱えたが、このパターンに近い状況になりつつあると見受けられる。マスコミは資源問題を取り上げているのであって、価格が上がっても消費がついてくるという、これまでの論理は通用しない時代となっている。前回と同じ徹を踏まないように願っている」としている。

肩売れ、腹は残る 蓄養マグロ商材の販売現象

 築地市場のマグロ関係者によると、マグロ価格が上がったことから、仲卸での売り場では、脂ものの蓄養マグロの腹部分が売れず、売れ残る現象が出ている。
 これまでの値付けとしてトロ商材の腹の方が高い設定となっているが、蓄養マグロの場合、肩でも脂が付いていることから、肩部分に割安感がでているため、肩が売れて腹が売れ残る場面が出ている。

トロ欲しいが価格は安く

 このため、肩と腹とを抱き合わせて販売するなど、腹が残らないように工夫している。市場関係者は「これまでのラウンドによる搬入となっているが、現象を考えるとフィレー形式の販売のほうが、合理的なのかもしれないが、輸送方法が確立されておらず、これも難しい。トロ商材は欲しいが、価格は安いほうがいいというユーザー心理が表れている」としている。


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