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今週の一本

●固定資産税払い過ぎ  井出 万寿男
(週刊水産タイムス:06/11/27号)

過徴収問題で揺れる冷蔵倉庫業界

 

 冷蔵倉庫業界が固定資産税の過徴収問題で揺れている。冷蔵倉庫に比べ固定資産税の評価額が高い普通倉庫並みに課税されていたためで、名古屋市で過徴収となっていた冷蔵倉庫が6月に発覚して以来、日本冷蔵倉庫協会(日冷倉協、隅山大作会長)の調査によると、会員事業者の半数で過徴収の実態が判明した。ところが「取りすぎ分」の還付・返還をめぐって自治体の対応がバラバラのため、日冷倉協では総務省に要望書を提出するなど、問題の早期解決を求めている。

 不動産の固定資産税は地方税の一つで不動産(土地・建物)の所有者に課税される。税額は固定資産税の評価額に1.4%を掛けた金額と定められている。
 「倉庫」の場合、一般倉庫に比べて損耗の激しい「冷凍倉庫」に対しては、より短期に価額の評価が下がるため、一般倉庫より課税額は低くなるのが通例だ。

 ところが今年、名古屋市の冷蔵倉庫で過徴収が判明して以来、日冷倉協が調べたところ、次々と過徴収の事実が明らかになった。一部報道によると、自治体からの「返還金額」は既に38億円を超えており、全国の過徴収金の総額は「100億円を下ることはなく、200億円近い規模になる」(日冷倉協)。
 地方税の過誤納の還付・返還に関しては、地方税法で5年を時効期限と定められているが、日冷倉協では「これ以上の“返還”を妨げるものではない」との見解を踏まえつつ、地方自治法で「公益上必要がある場合においては、寄附または補助をすることができる」(第232条第2項)と定めていることなどから、適正な還付・返還を求めている。民法では「不法行為による損害賠償の請求権」として最大20年間までの「賠償」を認めている。

 アンケートでは「過徴収があった/なかった」の回答に加え、「過徴収の被害を受けた期間と比べ、返還される対象期間があまりに短い」との指摘が相次いだ。40年以上にわたって過徴収を受けてきた実態に対し、「全額返還」や民法の時効となる「最大20年間の返還」、課税台帳による過徴収額の確認が可能な「10年間の返還」などを自主的に表明する自治体がある一方で、地方税法の時効である「5年間のみの還付」とする市町村も少なくない。

 ちなみに「還付・返還年数」は「全額」が札幌市など4自治体、「20年」が帯広市など20自治体、「15年」が岡山市など3自治体、「10年」が釧路市など60自治体、「5年」が留萌市など47自治体と対応が分かれており、「不明」としている自治体も函館市など36件に上る(日冷倉協調べ、11月16日現在)。
 このため、日冷倉協では各地で陳情を進めているのと並行し、主務官庁である国土交通省へ問題の所在を報告。10月19日付で総務省にも要望書を提出している。     


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