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今週の一本

●ニチレイ 孤独な戦い  佐藤 巳喜夫(週刊冷食タイムス:07/2/13号)

販促金控えたら減収の手痛い現実

売場の“言いなり”でいいのか 改革の好機逸する懸念

 ニチレイフーズの冷凍食品が苦しい展開を強いられている。中でも市販用は上期の売上げ7.9%減からさらに悪化し、第3四半期(10〜12月)は13%減と割り込み幅が広がった。値引き販売是正のため販促費を見直しているのに対し、売場の抵抗感が強く、店頭フェイスが減って売上げに大きく響いているもの。値引き販売を是正するための同社の取り組みは多方面から評価されているが、歩調を合わせて販促費改善に正面から乗り出すメーカーはなく、ニチレイFの孤軍奮闘状態。構造改善はこのままでいいのか、懸念される。

 恒常的な値引きに頼る異常な市販用冷食市場で適正な利益を確保するのは難しい。しかも食料の世界的需給バランスの変化で原料高騰が大きな問題となり、収益を改善する手立ては急速に狭まっている。
 この状態を打破し、秩序確立が最大課題だという認識は業界関係者に共通しているが、具体的に、表立って行動に移したところはない。「売場ににらまれたら扱いが減る」という懸念に加え、「正道を歩んでいる間に、脇道から他社に足元をすくわれる」という心配が大きいからだ。

 ニチレイフーズは市場構造の改善に一昨年暮れから取り組んだ。販促費の見直しで実質的に協賛金のばらまきを抑え、絞り込んで使うように切り換える一方で「上等」シリーズ、「気くばり御膳」など価格で売らず冷凍食品の優位性を追求した上質商品を投入した。
 「すぐに市場が改善されるわけではない」とニチレイF幹部も見ていたが、成果が表れるまで、予想通り時間がかかっている。
 その間、05年は市販用大幅増収に伴う生産効率改善で利益体質を強化したのに対し、06年度上期の市販用は、販促費引き締めの影響を受けて8%の減収と一転し「我々の想定を超える大幅な落ち込み」(浦野光人社長)となった。

 それでも販促費見直しに伴い、上期の市販用は営業利益の増益を維持していたため「是が非でも下期は増収回復する」ことで増益基調を強化するはずだった。
 しかし販促費圧縮に売場の抵抗は予想以上に強く、第3期は上期より5ポイント悪化し市販用13%減となった。
 「いまがボトム(底)。これから上向きになる」と同社。市場構造改善に本気で取り組む姿勢を崩していない。これに対し、多くのメーカーも、心中では基本的に賛意を示すものの、販促費改善に取り組む動きはほかに出ていない。

 このままでは売場の「言いなり」になったところが勝ち、是正努力したところは報われないというゆがみだけが残る。市場構造を改善しなければならない重要な岐路に当たり、業界関係者の選択が問われている。


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