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今週の一本

●タイの冷食生産 木村 健(週刊冷食タイムス:07/4/3号)

原料で優劣鮮明に

バーツ高、ポジリス制で

 タイの日系冷食メーカーは欧米に輸出している企業が大きく伸びている。水産食品の需要が拡大基調にある欧米向けが好調な一方で、日本向けを主とするメーカーは、好調なチキンを除きほぼ横ばい状態の企業が多く、昨年来の円安とバーツ高の影響もあり、欧米と比較した水産原料の仕入れ力の弱体化が課題となっている。

 欧米向けを顕著に伸ばしているのがテップキンショーフーズ。日本の株主企業が撤退し現地資本系になってからは売り先が縛られなくなったこともあり、毎年のように事業規模を拡大し、昨年の売上げも2億バーツ(約7億円)増の16億バーツだった。米国向け販売構成比は54%と前年より7ポイント増えたのに対し、日本向けは絶対数こそ減っていないものの、構成比は8ポイント減の29%に減った。白身魚のフィレー加工も、原料仕入れは基本的に受注する米国企業持ちなので、原料値上がりの影響も少ない。

 一方、日本向けを主とするメーカーは、水産原料の不足とバーツ高で厳しさを隠せない。
 原油高騰による漁船燃料の値上がりもあり、以前は潤沢だったアジも昨年は仕入れが困難になり、アジフライの生産量が減った工場もある。
 エビフライの原料となるブラックタイガー(BT)もほとんどが輸入になり、昨年はサイズによって二割ほど高くなったところもある。バナメイ種のエビは安くなったが、サイズがBTほど大きくなく、食感などにこだわりが強い一部の日本のユーザーにはあわない。

 バーツ相場は3.4〜3.5円にも跳ね上がっているが、これは昨年同時期に比べ0.6円の上昇。バーツは独歩高なので条件は欧米も同じとはいえ、円安が影響した日本ほどではない。
 「3.1円前後でも利益が出るようにコスト削減努力を続けてきたが、現在の為替レートは想定外。かといって日本での値上げは受け入れられる状況にない」と頭が痛い状況。

 新製品に切り替え価格を調整しようにも、昨年スタートした日本のポジティブリスト制が足かせになっている部分もある。タイは食材が豊富とはいえ、ポジリス制にあう履歴や安全の証明を原料仕入先に求める段階で断られることもあるという。

 規格の厳格さも以前から指摘されてきた日本の弱点。品質的には問題がないアメリカ向け商品も規格のバラつきがあるだけで日本では売れない。
 白身魚の原料不足でテラピアの養殖が盛んになっているが、欧米では問題がなくても日本ではピラニアと名前が似ているためかイメージが悪くて売れない。
 このままでは日本の食品メーカーは取り残されるばかりと危機感を持つ関係者が少なくない。

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