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今週の一本

●外食産業に復活の兆し 橋本 武寿(週刊冷食タイムス:07/08/28号)

アイドルタイムの活用策が奏功か
既存店の客数増顕著

ファミレス、ディナー強化
高齢者需要掘り起こしも

 中国産の安全性懸念で小売業は影響を大きく被っているのに対して、外食産業はこの問題をストレートに受けていない。これまで市場低迷が長く続いていた外食産業だが、メーカーの期待は一気に膨らんでいる。その外食産業に数字の上では復活の兆しが見える。日本フードサービス協会(JF)の上期統計では、既存店客数が3.9%伸びている。この背景を探ると「アイドルタイム」の有効活用で客数が増えるという効果もみえる。従来弱かった時間帯をテコ入れし、集客に努める考えだが、高齢者需要の掘り起こしという動きにもつながっている。

 外食動向がデータ上復活しているのは「吉野家の牛丼復活」が市場に大きく影響を与えているだけ、と捉えがち。この復活需要も一巡すれば終わりとの見方もある。しかし、外食産業の復活には全業態で既存店改装等、店舗の活性化に注力している効果も大きく働いている。
 JFが集計した上期(1〜6月)の加盟外食企業の既存店の売上げは2.2%伸長した。
 外食企業は既存店の活性化に軒並み努め、良い結果をだしている。売上げは一進一退しながらも「減少幅が縮小し、右肩上がりになっている」(外食総研)のは新規出店に注力する以上に、既存店の掘り起こしに努めているためだ。
 既存店舗への設備投資額は昨年、新規出店に対する投資額を上回った。店舗改装は売上げが15〜20%伸びる効果があるとの見方もある。
 外観を改める以外に、店づくりのコンセプトを見直し、従来弱かった時間帯「アイドルタイム」をテコ入れする動きが目を引く。

 日本マクドナルドが朝食時間帯に、メイプル風シロップ入りのパンケーキにソーセージやタマゴ等を挟み込んだ「マックグリドル」を今年1月から販売開始したのが一例。同社は「朝ごはんの時間帯は外食産業で大きな成長が見込まれる」とし、20代OLやサラリーマンなどをコアターゲットにファン拡大に努めている。今月29日オープンする「マックカフェ」も、新しい外食スタイルを提供する意味で注目を集めている。

 デニーズは昨年12月から新業態の「プレディ」を展開、これもアイドルタイムの掘り起こしが重要なねらい。ファミリーレストランはランチタイムの集客力がそこそこあるが、ディナータイムは弱いという課題を長年抱えている。そこでデニーズはディナーメニューを強化した店としてプレディを開発した。モーニングメニューや深夜メニューも設けており、アイドルタイムの集客を図る姿勢が明確にでている。

 カレー専門店の壱番屋は昼、夜以外の時間帯の需要を掘り起こすため、宅配を手掛けている。
 高齢者の来客を促す取り組みもある。(財)すこやか食生活協会は、高齢者が誰かと食事を共にする「共食」を推進するため、高齢者が集まる外食店づくりモデル事業を、外食店の協力を得ながら推進している。
 同協会は視覚障害者の食生活自立支援で得たノウハウを生かし、高齢者の元気を引き出す手立てとして数年来、誰かと食事を共にする共食を推進。「高齢者が誰かと食事を共にすることは、夫婦、家族、隣近所の気のあう者同士で共食するチャンスを増やすことになる」(同協会)。これに適当な場のひとつが地域の外食店だという。

 こうした外食側の市場活性化努力に冷食業界はどう応えるか。外食市場の規模が大きいだけに、メーカーは再び取り組み姿勢を見直す必要が出てきそうだ。

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