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今週の一本

●スリ身供給、大幅タイト化 辻 雅司(週刊水産タイムス:08/01/14号)

危機的な大幅値上げも

フィレー価格並みでFA級420円

 原料のスリ身をはじめ、資材の値上がりから、水産ねり製品メーカーでは、昨年暮れから今年の春にかけて、製品を10%程度値上げする動きとなっているが、今年のスリ身供給は大幅にタイト化、さらに価格も大幅値上げとなる雲行きとなっている。スリ身原料の数量確保とさらなる大幅な価格転嫁をしなければならない事態となっており、まさに今年はスリ身クライシスともいうべき幕開けとなった。

 今年の米国のスケソウダラの漁獲枠が昨年の137万tが100万tと削減され、日本への米国産スリ身の供給がタイト化するが、さらに東南アジア、南米のスリ身もこのところの燃油高により休漁、東南アジアでのねり製品生産の拡大などから、米国のスリ身の供給減を補うことが出来ず、今年の日本へのスリ身は年間で昨年の8万tから5万tとなる。また、各国からは昨年の28万tから23万tに大幅に減少、まさにスリ身が足りない危機的状況(クライシス)となっている。
 さらに、唯一のスリ身供給国の米国スリ身における今年Aシーズンの価格は、すでにフィレーの成約価格は1kg3ドル80セントとなっていることから、これをスリ身製品の価格にスライドするとkg420〜430円となる。昨年Bシーズンの価格はFA級でkg280円であったことから、140円〜150円の超大幅値上げとなってしまう。これまで1シーズンの値上げは20円程度であったことを考えると価格的にも危機的状況にある。

 今年の米国のスケソウダラの漁獲枠が100万tに削減されたことから、フィレー生産、スリ身生産とも3割ほど減少し、いずれも供給がタイト化する。欧州のフィレー市場は依然として需要は旺盛で特にユーロの通貨高から、欧州のフィレー需要と価格にスリ身の生産と価格に影響を与えると見られる。
 このため、日本のマーケットが大幅な価格改定に応じようとしない場合は、スリ身の生産からフィレー生産にシフト、または他の国にスリ身を販売してしまい、日本へのスリ身供給がさらにタイト化することになる。

 

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