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今週の一本

●「国産餃子を撤去」の例も 越川 宏昭(週刊冷食タイムス:08/02/05号)

消費者離れ加速、長期戦も必至

中国産の冷凍餃子事件に思う

 中国製冷凍餃子の中毒事件に伴う影響は冷凍食品業界全体に波及している。

 問題の天洋食品で製造した商品を自主回収すればこの騒ぎが鎮静化するわけではなく、ほかの「中国産」、さらには一部の国産品まで巻き添えを受けている。今回の事件は、単に「中国でのずさんな品質管理」という非難に止まらず、冷凍食品の見えない部分への不信感が増幅したといえる。となれば、すべてが疑惑の眼で見られる。しかも中国産、国産にかかわらず、「本当に大丈夫?」、「安全保証できるの?」と消費者から問われても、即座に「大丈夫」と答えられないことに、メーカーはもどかしさを感じているところであろう。
 いまだ真相究明ができていないので、明確なことは言えないが、一体どういう経緯で毒物が混入したのか、なぜ、それが検出できなかったのか。天洋食品を起用し、生産委託したジェイティフーズに問題はなかったのか。きちんと検証し、判明した事実を公表してほしい。

 冷凍食品に限らず食品業界にとって、「世界の工場」とされる中国への生産依存度は年々高まっている。調理冷凍食品の輸入量は06年で31万t、うち中国産は20万tでおよそ65%を占める。いまや冷凍食品メーカーにとって中国工場は生産体制の枠組みにしっかりと組み込まれているのだ。
 中国バッシングやチャイナフリーなど「中国不信」の声が高まっているが、さりとて「中国抜き」はあり得ないというのが冷凍食品業界の常識である。
 しかし、テレビや新聞では「もう中国産は買いません」の大合唱。「危険なので絶対に食べないように」と厚生労働大臣からコメントされては堪らない。しばらくは冷凍食品離れが売場で進むだろう。中国産の商品だけではない。「国内産の餃子も一部の店頭から撤去された」という悲鳴に似たメーカーの声も聞こえる。

ミートホープ事件の教訓生かされたのか

 こういった状況が沈静化するにはかなりの時間を要するに違いない。大手メーカーの某部長は「最低でも3カ月はかかる」と長期戦の覚悟である。
 例のミートホープ事件の教訓もあって、最近、リスク管理の理由から生産の自社化を推進する、また資本参加するなどでコントロール可能な委託先に絞るメーカーが増えていた。下請けといえども「見えない部分をなくす」ように注力してきたはず。なんと19社もの商社・メーカーが天洋食品から製品を輸入していたという。ミートホープ事件の教訓は本当に生かされたのだろうか。

 今回の事件に直接関係あるなしにかかわらず大手メーカーの消費者相談室には問い合わせの電話が殺到している。中には通常の10倍以上というところも。その多くが「おたくの商品は大丈夫?」という問い合わせ。かなりの相手から「大丈夫だと言って」と言質を求められるという。すでに家庭のフリーザーに収納されている商品は本当に大丈夫なのか。不安を持たずに食卓に乗せたいという消費者の想いが消費者相談室に寄せられる言葉に感じ取れるようだ。

 一日も早く、このような消費者の不安を払拭しなければならない。「安全安心」という言葉の重みを改めてかみ締めたい。 

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